年をとると髪が成長しなくなる理由が判明。もしかしたらハゲが治せるようになるかも!?(米研究) (2/3ページ)

・ヘッジホッグシグナル伝達経路を刺激し繊維芽細胞を活性化
そこでイトウ博士らは、マウスを使った実験で、ヘッジホッグシグナル伝達経路を活性化させてみた。
これによってマウスの細胞間のコミュニケーションを刺激すると、4週以内に毛が再生し、さらに9週後には、毛根と毛幹が現れはじめた。
「この結果は、ヘッジホッグシグナル伝達経路を通じて繊維芽細胞を刺激すると、これまで傷が再生するときには見られなかった髪の再生が促されることを示しています」とイトウ博士は話す。
怪我や火傷などで髪が生えなくなってしまうと、容姿が大きく損なわれてしまうが、現在の医学ではこれを元どおりにすることはまだできない。
今回の発見は、そうした傷を負った皮膚の髪を再生させることへ向けた前進であることはいうまでもないが、年をとった皮膚における発毛を促進することにもつながると期待される。

・ヘッジホッグシグナル伝達経路刺激のリスクを克服
じつはヘッジホッグシグナル伝達経路を刺激したほかの実験では、これによって腫瘍が生じるリスクが高まることが明らかになっていた。
そこでイトウ博士は、このリスクを避けるために、毛包の根っこ(皮膚乳頭)が最初に現れた皮膚表面の真下にある繊維芽細胞だけを刺激した。
イトウ博士によるとこの実験は成功したという。腫瘍リスクの増大させることなく発毛を促進できれば、怪我をした皮膚を本当の意味で再生させる医療に近づいたのだ。