心も体も「サザン愛」にどっぷり 鶴見「スキップビート」、マニア集う粋な店 (4/4ページ)
しかし、現在でも頻繁に店に訪れるサザンのトリビュートバンド「いとしのエリーズ」ボーカルの兼近TOWAさんらの尽力があり、店の知名度をあげた。
その知名度は留まるところを知らず、
「子どもの入学式でも父兄の人から『スキビのマスターですか?』って聞かれた」ファンだけでなく地元住民からも知られる存在にまで成長した。
関東はもちろんのこと出張で東京を訪れた際、必ず訪問するという地方からの客も絶えない。それだけの人々が口をそろえて言うのが「マスターに会いたい」。
「特別なことは何もしていない」しかし、ファンであれば誰に対しても色っぽく、マイルドに振る舞う。がっかりしないマスター像を徹底的に作り込んでいるかのようだ。その姿に憧れの先輩、恋人、兄貴など自分にとっていてほしい「存在」を当てはめているのかもしれない。そして、それを寛大に受け入れてしまうのだ。

客と談笑する山本さん
充実した日々に思えるが、会社員のままスタートしたこともあり、こんなこともあった。
「店作った時に会社に報告したら怒られた。ただ、1年だけ時間をください。1年で部下を育てますって言った」当時いた会社で所長だった山本さんは宣言通り部下を1年で所長まで育て、退職。会社に対しての責任もとった上で店に没入した。
「俺の遊び場、みんなのたまり場」を掲げるスキップビート。まだまだ遊び足りていないかとの質問に、
「満足はできない。ずっと遊びを求め続ける」仕事、遊び、そして自分自身。何に対しても真っ向からぶつかり勝負に出る。その愚直なまでに誠実な生き方は山本さん本人より訪れる人の方がわかっている。
「ちょっとエッチでオシャレなマスター」を目指しているというが、エッチはともかく着飾らない内面のオシャレはルイ・ヴィトンより人を誘う。
ファンを標的にしたビジネスの場合、大元のタレントの人気に乗っかるだけで接客やサービスが不十分なケースもある。しかし、スキップビートの場合、山本さんが本気で訪れた客と向き合ってくれる。表向きはサザンのファンが集まる店であっても、山本さんの存在が何よりのサービスであり、店にとって最大のウリなのかもしれない。
(Jタウンネット編集部 大山雄也)