江戸時代から使われていた「万引き」という言葉の由来を紹介 (1/2ページ)

Japaaan

江戸時代から使われていた「万引き」という言葉の由来を紹介

2018年6月、是枝裕和監督による映画、『万引き家族』が公開され、各方面から話題を集めました。「万引き(まんびき)」とは、商業施設において買い物客を装い、代金を支払わずに無断で商品を持ち去る犯罪行為のことを指しますが、刑法上の正規な名称ではありません。通常は、「窃盗罪」として処理されています。

警察庁によれば、2016年度の万引き認知件数は117,333件。万引きイコール未成年の犯罪と考えられていたのは昔の話。最近では、高齢者の検挙数が急増しているそうです。

さて、この「万引き」という言葉ですが、江戸時代から使われていたようです。

幕末から明治にかけて活躍した歌舞伎狂言作者・河竹黙阿弥の「白波五人男」に、「いや、文金高島田のお嬢さんが万引きしようとは気がつかねえ」というセリフが出てきます。

「万引き」という言葉が出てくくる「白波五人男」

さて、この「万引き」の語源ですが、「間引き(まびき)」に撥音「ん」が入った言葉であるという説が有力とされています。

間引きとは、不良のものを除いたり間隔を保ったりするために密生している農作物を適当に抜き取ること。あるいは、口べらしのために生まれたばかりの子を殺すことをいいます。

商品を間引いて盗む・・・つまり陳列してある多数の商品の中から少数の商品を盗み出すことからついたというわけです。

意味ありげな「万」には何の意味もなく、ただの当て字なのだとか。「間」に「万」が当てられたのは、おおげさというか、誇大表現というか、シャレのようなものではないでしょうか。実際に、万単位の金額の物を店から盗み出すことは滅多にありませんね。皮肉でわざと数を大きくしたのだと思えます。

その他にも「間」に「運」の意味もあるため、「間」と「運」が結合され、運を狙って引き抜くという意味で「まんびき」になったとする説や、万引きはタイミングを見計らい盗むことから、タイミングの「間」からといった説もあります。

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