医学部の減点問題に隠された「たったひとつの真実」 (2/3ページ)

マイナビウーマン

Aくんの努力もむなしく、受験の点数はギリギリの不合格(またがんばって1年勉強したらいい)。でも大学は、彼の“コミュ力の将来性”に賭けて合格させることにしたのだ。理由は、彼が男の子だから。その事実を彼は当然知らない。

こうやってAくんは晴れて念願の医学部生になった。受験のプレッシャーからの開放感はすさまじい。

初めて誘われた合コンで医学部生だと打ち明けた途端、女子数人の目が変わる。なぜかとてもやさしいのだ。戸惑うAくん。お母さん以外の女子と話すのは小6のとき以来だ。恥ずかしいのでうつむきながら話すAくんに、女子大生たちはみな顔を近づけて一生懸命に聞いてくれる。女子大生の髪の香りがこんなにも芳しいと知った、18の春。

夏休みになると、6年間で一度も話したことなかった中高時代の同級生男子が、有名大学主催のパーティサークルに招待してきた。医学部の勉強が忙しいので、パーティにはたまに顔を出す程度。すると、かわいい華やかな女子たちはAくんに駆け寄ってくる。思いきって自分から会話をしかけると、彼女たちは手を叩いて笑ってくれたりする。

そんな“成功体験”を重ね続けて、Aくんはすっかり変わっていく。大学2年生にもなると、かわいい彼女をとっかえひっかえのナウでヤングな医学部生へと進化(退化?)を遂げる。そのころのAくんのコミュ力といえば、廊下ですれちがった誰もが恐れる堅物の教授にさえ軽口をたたけるほど。そして教授は確信するのだ。やはり男女のコミュ力の差なんて大学生になればすぐになくなるじゃないか、我々の決断は英断であると。

アホやんか。すごいアホやんか。これぞまさに“医者の子は医者”現象である。

そもそも、その“コミュ力”は本当にAくんの力で得たものなのか。医学部生という肩書きが持つ“特殊さ”を、大学も男子学生も自覚するべきだ。

人間はいきなりおもしろくなったり、急にコミュ力が上がったりしない。だからその手のコミュ力がない人は、ちがう部分できっと勝負できる。

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