スタジオでＤＪもしたことあるけど、俺は５０年間、外回り。普通は外回り５０年もやらないよ（笑）。みんなスタジオの中に入って冠番組を持ちたい。でも、俺は人に会うのが好きなんだな。人が集まれば健常者ばっかりじゃないし、俺を嫌いな奴もいる。俺が行ったら、やたらとニッポン放送のラジオがかかってるんだよ。俺がＴＢＳだから、わざと他局をかけるの（笑）。そういうのはスタジオにいると分からないんだよ。

玉　オレ、何年か前に師匠の中継に一リスナーとして行ったら、師匠が目配せしてくる。「お前、そこ座っとけ」って（笑）。で、中継が始まると番組に出させてもらって、散々いじられて。

蝮　いじられてって、お前、酒臭ぇんだよ（笑）。

玉　ガハハハハハッ！

蝮　今の『ミュージックプレゼント』の中継の黄金比難しいフランス語なんだけど（笑）、要するに、俺の番組だから俺が６しゃべって、あとは玉と（外山）惠理ちゃんが２ずつ分けてる。この比率が抜群なんだよ。ウチのかみさんも、「今までいろんな人が受けていたけど、玉袋さんは、出っ張らず引っ込まず、一番、あなたを操っているような気がするわ」って。

玉　うわー、そんなこと言われたら泣いちゃいますよ。

■川端康成も書けないことをリスナーが！

蝮　それじゃ、ラジオで一番思い出に残ってる言葉、あんまりしゃべってないけど、玉だから教えてやるよ。

玉　来た、お願いします！

蝮『土曜ワイドラジオＴＯＫＹＯ』（ＴＢＳラジオ）という番組で、「おめでとう結婚記念日」というコーナーを作ったの。結婚記念日のリスナーに、お祝い持って会いに行くの。座敷にコの字になって結婚式を再現するんだよ。昔は結婚式場じゃなくて自宅でやった。蔵前の靴職人だったな。すでに結婚記念日から５０年たってる。爺さんと婆さんは８０歳ぐらい。当時、俺は３０代。２人は狸の置物みたいに座布団の上に座ってる。その周りは親戚や近所の人がいるの。

玉　いいコーナー！

蝮　再現したのは昭和１０年とか２０年の結婚式。俺は爺さんに「初夜の晩はどうだった？」って聞いたの。当時の結婚式は三日三晩、大騒ぎするんだ。