<東京暮らし(7)>野村萬斎さんに聞きました (3/3ページ)

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「教えることは教わること」とはよく言われますが、そういうニュアンスはありますね。

――フランス人にどんな点が評価されたのでしょうか。

萬斎 フランスの方は日本文化への興味が強いなと感じました。それと、「三番叟」はまさしく鎮魂と再生の儀式であり、ダンスであるわけですが、その精神性、深さに対しては非常に反響がありましたね。そして世代それぞれに対して、反応があった。息子を見れば瑞々しさ、私を見ればダンシングとしての面白さを発見してくれるでしょうし、父に対しては87才の人間が動いている深淵さ自体に目がいくようです。30分近く一人で舞うのは、父には体力的に辛い。もしかしたら装束を着て舞うのは最後かもしれないと自分で言っていましたから。三番叟では大きな跳躍を3度するんですけれど、息子なら一生懸命飛ぶし、私はきれいに飛ぶし、父だったらほんの少ししか飛ばないし。87歳が息子や孫と競い合って高く飛んでも意味がない。型とかダンスとかいう部分を越えた人間の存在としての何かが見えてくるということなのでしょうか。連日満員でしたね。3回通った方がいたようにも聞いています。3世代見るためにね。 文化庁芸術家在外研修制度により、1994年から1年間イギリス留学も経験(撮影/岡田晃奈) 文化庁芸術家在外研修制度により、1994年から1年間イギリス留学も経験(撮影/岡田晃奈)

取材の日はたまたま季節外れの暑い日だったが、萬斎さんは汗一つかかず、丁寧に言葉を選びながらこちらの質問に答えてくれた。

涼し気で凛とした佇まい、スッと伸びた背筋。伝統芸能の担い手として50年間稽古をし続け、邁進してきた萬斎さん。

「日本の精神性」をテーマに繰り出す東京五輪・パラの演出はどんなものになるのだろう。

4部作というのも楽しみだ。4部全てが終わる日まで、影ながら応援し、成功を心から祈りたいと思う。

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