石川遼「ツアー0勝」でも『絶賛』された“政治家的”な手腕とは
日本男子ツアー選手会会長の石川遼の今シーズンの成績は、残念ながら優勝ナシに終わった。国内ツアーに正式復帰したシーズンであり、米ツアーでダメ出しされたとはいえ、「ある程度の優勝回数を重ねる」と目されていたのだが…。
ファン、ツアー関係者の期待を裏切ってしまった格好だが、
「選手会長としての活動には、文句のつけようもありません。石川を選手会長に推したのはギャラリーを呼び戻し、大会主催者を引き止めておく狙いもあったのです」(専門誌記者)
“腐っても鯛”と言ったら失礼だが、やはり石川にはネームバリューがある。人気回復の狙いは的中した。しかし、それ以上に周囲は「ここまでやるとは!」と、選手会長としての辣腕ぶりに舌を巻いていた。
「石川の行動力は素晴らしかった。低年齢層へのゴルフ普及のため、体験教室を実施してきました。評価すべきはアイデアマンであること」(同・記者)
周囲が一目を置いているのは、単なる体験教室ではないことだ。石川が立ち上げた『フューチャーGOLFツアー』だが、ここでは“ルール違反”をあえて行った。
通常、ゴルファーはキャディー以外の人物にアドバイスを求めること、そして、アドバイスを与えることは禁止されている。ゴルフ規則にも明記されているが、石川は「アドバイスOK」としたのだ。
「子どもたちがおしゃべりをしながら、楽しくラウンドするわけです。子ども同士のコミュニケーションも深まりますし、石川にアドバイスをもらったとなれば、いい思い出になります」(スポーツ紙記者)
あまりにも敏腕すぎて早期引退が心配
経営難に苦しむゴルフ場も買収した。石川はこのオフに現地入りし、コース改造の話し合いを行うつもりでいる。単にお金を出すだけではなく、「どうやったら、立ち直れるか」をきちんと考えているのだ。
「批判的な人もいましたが、選手会長の権限があれば、アイデアを実践することも可能になってきます」(関係者)
ツアー改革やゴルフの組織運営に関するプランも温めているそうだが、「自身が優勝しなければ、賛同者の和が広がらない」との謙遜の声も聞かれた。
いかにも“政治家向き”な言動を生かすため、早期引退なんてことになりはしないか心配になるが、石川には微塵も“ワル”の素質がなさそうなので、2019年は選手としての再起に期待したい。