世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第302回日本政府の“大本営発表” (1/3ページ)
12月14日、吉川洋立正大教授が座長を務める内閣府の景気動向指数研究会が、’12年12月を起点とする「景気回復の長さ」が、’17年9月時点で高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超えたと正式に発表した。ちなみに、景気動向指数研究会は、
「前回の景気の谷から足下まで明確な下降はみられず、第15循環の景気の谷(2012年11月)以降、2017年8月以前に景気の山はつかない」
とレポートに書いているが、率直に言って「頭がおかしい」としか表現のしようがない。
高度成長期と第二次安倍政権発足以降の経済成長率(対前年比)についてグラフ化した。
左のページの図の通り、いざなぎ景気下の20四半期の経済成長率(実質GDPの成長率)は、平均で11%(!)を超えていたのである。それに対し、第二次安倍政権発足後は、わずかに1.1%。しかも、消費税増税後にはマイナス成長に突っ込んでしまっている(直近も対前年比ではゼロ成長、対前期比ではマイナス成長)。
それにも関わらず、直近の景気について「いざなぎ超えの景気回復」などと報じるなど、ミスリードも甚だしい。
ちなみに、図では安倍政権下の名目GDPの成長率も載せておいた。
実質GDPは、統計が可能な名目GDPから物価の影響を除くことで「計算」して算出される。物価がマイナスに陥ると、実質GDPはむしろプラスで計算されてしまうのだ。
というわけで、安倍政権の後期は物価が再びマイナス傾向となり、実質GDPがプラスで算出されるケースが見られるようになった。いわば、デフレ型経済成長である。
そもそも、第二次安倍政権は「デフレ脱却」を標榜して誕生した政権のはずだ。ところが、安倍政権は’14年4月に「デフレ化政策」である消費税増税を強行。さらには、診療報酬や介護報酬の削減、公共投資や防衛費も伸ばさない、デフレを呼び込む緊縮財政を続けた。
結果的に、’16年以降に日本経済は再びデフレ傾向を見せるようになる。物価が下がると、需要である名目GDPが低迷したとしても、実質GDPはプラスで計算されてしまう。
デフレ型経済成長の影響を考慮しても、図のような有様なのだ。