コロンビア大学のDeathLAB(デスラボ)が唱える「死の民主化」とは (1/2ページ)
近年、日本でもこれまでの伝統に捕われない自由な葬送の形が広く定着してきている。しかし、葬儀や葬送の形に関して、この先の遠い未来の世界にまで思いを馳せられる人は、そうはいないのではないだろうか。また、それが普通であると思う。欧米では、死や葬儀が死生学や社会科学という学問として定着しているが、その中でも、かなり大胆な発想を実現しようとしている人たちがいる。それがアメリカのコロンビア大学にある「DeathLAB(死の研究所)」だ。
■コロンビア大学院建築学部のDeathLAB(デスラボ)とは
アメリカのコロンビア大学に、死について研究するDeathLAB(デスラボ=死の研究所)がある。主催するカーラ・マリア・ロススタイン准教授は、コロンビア大学建築学部大学院で教鞭を取ると共に、多くの賞を受賞している建築家でもある。
2001年9月11日、アメリカで起こった同時多発テロで、テロの犠牲者となった宗教も人種も違う約3000人もの人々をどう弔うべきかが大きな論争となった。それをきっかけに、人口が密集する大都市での、死に関わる様々な問題への人々の関心が高まった。
墓地の不足、埋葬方法による環境問題、宗教離れによる葬儀の多様化やシングル人口の増加による経済的な問題などである。そのような、アメリカだけに留まらない、世界規模な課題に取り組んでいるのが2013年に設立されたDeathLAB(デスラボ)だ。ここでは、ロススタインと同じ建築専攻の学生だけでなく、宗教哲学や環境工学など様々な分野の学生や研究者が集まり、死に関する新しい提案を日々生み出している。
■死者と都市の融合そして還元
DeathLAB(デスラボ)の研究の特徴は、死者と都市を隔離するのではなく、両者を融合させるという考え方だ。そのため、デスラボの提案は、これまでの伝統的な埋葬や追悼の概念から完全に脱却している。
例えば、アメリカの広大な墓地は都市から離れた場所にあり、フェンスが張り巡らされ、遺族が訪れる回数も減る一方。そして、墓地が満杯になるとまた別の遠い場所に土地を購入する。これでは死者を都市から遠ざけるばかりである。