人類の生き残りをかけて。妊婦を宇宙に打ち上げ、世界初となる宇宙出産を行うプロジェクト。2024年に打ち上げ予定 (2/3ページ)

カラパイア



 同社は今後5年でいくつもの先駆的な実験を実施する計画であり、その中で最重要とされる実際の宇宙でのお産は2024年に予定される。
 
 すでに妊婦を宇宙へ連れて行ってくれそうな宇宙関連会社数社とコンタクトが図られ、実験資金を提供してくれるスポンサーも見つかっているという。

 さらに人類史上初となる宇宙で母になる女性とも協議が行われている。


・宇宙での出産に伴うリスク

 だが仮に資金とロケットと妊婦を確保できたとしても、実験は危険を伴うものだ。

 出産を間近に控えた妊婦を宇宙に連れて行くだけでも難しそうだというのに、母体だけでなく、子供の安全まで心配しなくてはならないのだ。

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 宇宙へ打ち上げられる宇宙飛行士は、ロケットが軌道に到達するまでの間、地上の3倍という重力を体に受ける。

 場合によってはその3倍もの重力が加わることもり、それが母体や胎児にどのような影響を与えるのか誰にも分からない。

 これまで人間の出産が宇宙で行われたことはないものの、ラット・魚・トカゲ・無脊椎動物などでなら実験されている。

 たとえば1990年代、スペースシャトルのミッション中にラットに出産させた実験がある。だが、このときの子供はすべて、「前庭系」という耳の中にあってバランス感覚や方向感覚を司る器官が未発達であった。

 しばらくするとバランス感覚は回復したものの、この結果から子供には重力が必要なのだろうと推測されている。

 重力がない状態ではほかにも問題がある。母親は子供を産道から押し出すために重力の助けを借りることができないだろうし、出産の痛みを緩和する硬膜外麻酔の使用も難しくなる。

 さらにお産のときの体液が分娩室を浮遊するといったトラブルも生じるかもしれない。
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