新春「大開運」講座<亥年にお参りしたい「神社&寺院」>(2)何人にも見えない神の使い (1/2ページ)

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新春「大開運」講座<亥年にお参りしたい「神社&寺院」>(2)何人にも見えない神の使い

 清麻呂が神ならば、猪は神の使いとして人々に御利益を運んでくるということになる。同じように、神使として猪が登場する信仰がある。仏神の摩利支天信仰だ。これが、本田氏の言う「二つめの猪にまつわる仏閣」である。日本では戦国武将が信仰したことで知られ、戦いの神というイメージのある摩利支天だが、

「ルーツは威光、陽炎の神とされる古代インドのマーリーチーで、何人も見ることができない神なのです。敵から見えない神、そして猪にある勇猛で迅速なイメージから戦国武将が勝利を祈願する対象になったとみられます。その摩利支天は『猪車に乗る』と伝えられ、猪は仏と人をつなぐ使いと信じられているのです」(本田氏)

 戦国の世から平和な江戸時代になると、摩利支天は商売人からの信仰を集める。京都にある健仁寺の塔頭である禅居庵には、秘仏本尊の摩利支天がある。

「付近には古めかしい石柱が建っていて、京都の商人が多額のお布施をしたことが書いてあります。戦いの勝利守護神から転じて商売の成功をもたらすと解釈された面もあるのか、信仰の脈略ですから何とも言えない部分もありますが、何より霊験が迅速であるされたことから、商人からも信仰を集めることになったのでしょう」(本田氏)

 “イノシシ寺”は点在しており、スポーツなどの勝利祈願の寺としても人気を集めている。猪突猛進ではないが、勝利を求める現代人にとって、猪は勝負運を最強にしてくれるシンボルとなっている。あとは本来の「亥年」の意味を知れば完璧だ。本田氏がこう解説する。

「『亥』という字は、草木の生命力が種に閉じ込められた状態を表しています。そして、十二支の最後であり、亥年は陰の極まった年回りとも言われます。ただ、それは陽と隣接した年でもあるのです。陽に最も近くで、種のように生命力を内に蓄える。

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