動物界で一夫一婦制を定める普遍的コードが発見される(米研究) (2/3ページ)
その特徴とは、
・オス1匹とメス1匹がつがいになる
・両親が子供の世話にかかわる
・子供に危険が迫った場合、両親がその防衛に当たる
という3つで、これらの条件に当てはまる場合、その動物は一夫一婦制を営んでいるとみなされた。
したがってお互いがお互いしか受け入れないことは条件ではない。平たく言えば、人間のように浮気をしても一夫一婦制の条件を満たしているというわけだ。
・一夫一婦制は学習や記憶などに関連する遺伝子によって決められる
つがいになり協力して子供を守る動物には、共通する遺伝子発現のパターンがあった。
それは神経の発達、シナプス活動、学習、記憶、認知機能に関連する24種の遺伝子のパターンで、5つの一夫一婦制グループでこれらの遺伝子が似たような状態にあることが確認された。
それらのグループの脳ではこれらの遺伝子が、非一夫一婦制のグループに比べて「強く発現しているか、あまり発現していないか」のどちらかだったのだ。
これらの遺伝子が学習や記憶といった機能に関係している理由については、現時点では確たることは分からない。
しかしホフマン教授の考えでは、つがいを形成し、子育てをするといった行動が可能になるには、社会的行動の基礎にある認知プロセスの変化が必要になるからだという。
つまりある個体がつがいを形成するには、自分のパートナーを認識し、一緒にいることが嬉しいと感じられなければならない。
それには「神経とシナプスの可塑性や学習あるいは記憶に関係するプロセスが必要」になると考えられるのだ。