「せっかく芸人になれたのに」又吉直樹、芥川賞受賞後も文化人枠に憧れなし 現在の悩みも明かす (3/5ページ)
――綾部さんがアメリカに行った今、又吉さんは今後の芸人活動についてどのような展望を持っているのでしょうか?
又吉:三十代のうちにコントを量産したいと思っています。毎月ライブもやらせてもらっているので、いろいろ挑戦もしたいですね。好きなことがコントや物語を作ることなので、基本的にはそのスタンスでと考えてます。
ライブをやってきた数だけでいうと、芸人の中でもかなり多いと思うのですが、最近は「又吉さん、もう作家になられたんですか」って芸人辞めたような言い方をされることもあって、ライブをやっていることを僕自身が世の中に発信しきれていない、僕が小説書いたら「新作が出ました」と報道してもらえるけど、ライブでコントの新作を一本書いても報道されないですからね(笑)だから、お笑いはやらないんですかと聞かれると返事に困る。毎月やってるねんけどなって……。
そこを改善できたらいいなと思います。もしかしたら、メディアの方もそうかもしれませんけど、バラエティ番組に出ている人以外を芸人として認識しないという世間の風潮があるんです。劇場にしか出ていない人は芸人見習いみたいなとらえ方。その感覚のずれが今は悩みでもあります。
――芥川賞作家になったことによって、又吉さんのお笑いに対する見方が世間では変わってしまったということはありませんか?
又吉:小説を読んで、ライブに来てくださるお客さんもいるんですけど、僕がやってるので小説もライブも本質はそんなに大きくは変わらないと思っているんです。前から僕のライブを見ていた人の中には「本なんて読んでいないよ」って言う人もたくさんいるし、コアなお笑いファンは芥川賞とか純文学なんて全く面白いと思っていない人も多い。
もちろん僕は文学も大好きですが、現実として、文学よりお笑いのほうが世間的に浸透としているし、圧倒的に流行ってますからね。「又吉、いいかっこうすんなよ。今まで通りやれよ。急に文学的なこと言い出すなよ」と思う人もいるんじゃないですか。一方で、昔からライブに来てくださるお客さんは、「ずっとこんな感じやったで」と言う人もいるでしょうね。