「せっかく芸人になれたのに」又吉直樹、芥川賞受賞後も文化人枠に憧れなし 現在の悩みも明かす (4/5ページ)
そこは、それぞれ好きに楽しんでいただけたらと思っています。小説の読者が僕の作るコントを面白 いと思ってくれるかはわかりませんが、やっぱり観ていただきたい。
――又吉さんは文化人枠に行ってしまったのではと勘違いしている人も中にはいるのでは?
又吉:「文化人枠に行ってしまった」って思う人はどこか潜在的に芸人より文化人のほうが偉いと、世の中の価値基準を設定しているんでしょうね。僕は文化人に憧れたことは一度もないし、テレビに出てる文化人と呼ばれる方々も、なにかの専門家、スペシャリストであって、そこに誇りはお持ちでしょうけど、「私は文化人だ」と自覚して活動している人っていないんじゃないですか?便宜的に「文化人」という言葉を周囲が使っているだけで。子供の頃から、お笑い芸人が一番か っこいいと思って育ってきました。文化人らしき人がテレビ出てきても、どうせ難しい話すんねやろなとチャンネル変えてましたからね。
せっかく芸人になれたのに何で文化人にならなあかんねんとは思いますね。そこまで言うと角が立ってしまうかもしれませんけど、基本的にはアホなことしか言えないので。でも、今この瞬間もちょっと真面目なこと言ってしまってますよね。二十年も芸人としてやってきて、今また芸人に憧れてるという複雑な状況です(笑)でも、声を掛けていただいた仕事はなんでも挑戦したいです。
―― ピースの時は綾部さんがそういう部分をイジって笑いに変えていったところがあると思うんですけど、 今はいないので又吉さん自身がそういう部分を崩していかないといけないのでは?
又吉:崩していってもいいし、崩さなくてもいいのかなとも思っています。コントのなかで、芸人よりも文化人がゴリラに襲われたほうが、衝撃が大きくて笑う人もいるかもしれないですし。「賢ぶってる奴が頭噛まれてるぞ」とか。
個人的には肩書きで活動するのは詐欺師だけだと思ってるので、むしろそういうことは気にせず、とにかく楽しいコント、ライブをやりたいです。この理屈っぽいインタビューを読んでライブ行こうと思う人がいるのか疑問ではありますが(笑)まだ見に来たことがない人たちにも、ぜひ一度見に来て欲しいです。