メガバンク支店長時代に見た、富裕層がひそかに受け継ぐ「マネー教育」とは (2/3ページ)
お金はいくら稼いでも使えばなくなるものなので、「資産を守る」「増やす」といったことを教えておかないと、子どもが将来、お金で苦労する人生を送ることになるかもしれないからです。
今の日本では「お金の話は外に出すべきではない」という風潮ですし、特に資産家の方ほどそんなことはよそで話しません。けれど、私は銀行員でしたからそういった方々とのお付き合いのなかで彼らが受け継いでいる教育に触れる機会が多々ありました。これは資産家のみならず、どんな家庭でも取り入れるべきものだと思ったので、健全に豊かになる方法としてシェアしようと思ったんです。
――翻ってお金に苦労している家の親はそういうお金のノウハウをあまり知らないのかもしれません。菅井:そう思います。お金は天から降ってくるものではなくて、能動的に動かないと稼げないものです。しかし、日本では終身雇用制度の影響か、いまだにお金は会社に所属すればもらえて、年を重ねれば自然に増えていくものだという感覚を持っている人が多いように思います。そのせいかお金を稼ぐことに対して能動的ではありませんし、働いてお金をもらうとはどういうことか、お金とは何かの本質も知らないまま。それでは子どもにも教えられないですよね。
一方でアジアの新興国では、誰も彼もがどうにか稼いでやろうというハングリー精神に富んでいるわけです。この意識の違いが10年後20年後にどんな結果を生むのかと思うと恐ろしい気がします。
――まして今はAIやブロックチェーンといった新しい技術が金融と強く結びつき、より高いマネー・リテラシーが求められている時代です。菅井:そうですね。中国での仮想通貨やキャッシュレス社会の爆発的な広がり方を見てもわかると思いますが、それだけに今の日本の子どもたちがお金についての教育を受けずに大人になったらどうなってしまうんだろうという危機感があります。
まずはお金とは何か。働いてお金を稼ぐとはどういうことか。手にしたお金を管理するとはどういうことかというところを、子どものうちから教え込んでいくことが大切です。