メガバンク支店長時代に見た、富裕層がひそかに受け継ぐ「マネー教育」とは (3/3ページ)

新刊JP

ジムに通って体重管理をするように、お金を稼ぎ、貯め、増やして管理するというお金に関する“筋肉”を小さいうちからつけておかないと、大人になってから周囲に太刀打ちできなくなってしまう。そこは親子で一緒に勉強していくべきです。

――「お金の教育」は何歳くらいから始めればいいのでしょうか。

菅井:お金の教育で一番大事なことは「お金というものは誰かの困り事を発見して解決したご褒美としてもらえるものなんだ」という、お金の意味づけです。

これは小さいうちから教えておいた方がいいと思っています。たとえば3歳の孫がおじいさんの背中に乗って足踏みしたら、おじいさんにはちょうどいい重さでマッサージになった。気持ちよかったからと、そのご褒美で100円渡してあげる。あるいは親が忙しそうだからと、言われる前にお風呂を掃除したことでお駄賃が発生する。こんなふうに暮らしの中で「困り事を解決した対価としてお金がもらえる」ということを教えていけばいい。

こういうことを繰り返すことで、子どもはお金の意味を理解して、どうやったら稼げるのかを考えるようになるんです。

――今のお話は日本で良しとされている子育てとは対照的です。子育ての本を読むと「家の手伝いの対価としてお小遣いをあげることが習慣になると、お金が介在しないと何もしない子になってしまう」という意見をよく目にします。

菅井:大切なのは、子どもが自発的に「家の中に困りごとがないか」と考え、実際に解決できたらその対価としてお小遣いをあげること。家族の一員として手伝いをするのは当たり前です。玄関掃除は必ずやるなどの自分の分担をこなすことに対価は発生しない、というのは私も賛成です。ただ、与えられた役割以上の仕事を自ら担ったり誰かの代わりにやったりした時に「報酬」が発生するのは問題ないはずです。

個人的には、日本では「お金を稼ぐことに意欲的なのは品のないことだ」「お金のことには鷹揚に、上品に」という意識が強すぎるのではないかと思っています。先ほどもお話ししましたが、世界には必死にお金を稼ごうとしてやっている人がたくさんいるわけですから、そういう子育てをしていたら彼らに勝てなくなってしまう。

もう日本の中だけで人生を完結できる時代ではありません。もっと子育ての中で「自立すること」=「稼ぐこと」を意識させるべきでしょう。親の役目は子どもを自立させることなのですから。
(後編につづく)

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