秋津壽男“どっち?”の健康学「インフルエンザなどの予防にマスクは必須か。飛沫だけでなく接触感染のウイルス予防も大切」 (1/2ページ)
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冬になると、街行く人のマスク着用が目立ちます。神戸で新型インフルエンザが流行した際には、電車の乗客ほぼ全員がマスクを着用していましたし、不特定多数の乗客を乗せるタクシー運転手も、マナーとして多くの人がマスクをつけています。
10年ほど前、フランスでインフルエンザにかかった家族を「マスク着用・非着用」に分けたところ、両者に大きな差はなかったとの報告がありました。
ただ、こうした実験結果が完璧に正しいとは言い切れません。なぜなら、過去にインフルエンザにかかった人は免疫ができており、インフルエンザウイルスが体内に入っても発症しにくいためです。また「人が集まるところで仕事をしているが、生まれてからインフルエンザにかかったことがない」と豪語する人もいるように「免疫がある人」も、マレですが存在するからです。こうした結果を踏まえて質問です。マスク予防に効果はあるか否か、どちらでしょうか?
実は、マスクは完全なウイルス予防のフィルターとは言えません。インフルエンザウイルスのように細かく小さなウイルスはマスクを素通りしてしまいます。病院に勤務する人の多くがマスクをしながらも、インフルエンザの予防接種をしているのも、マスクでは完璧に防げない、とわかっているためです。
つまり、インフルエンザは「完璧に予防する手だてがない」わけです。
ただ、マスクをすることでウイルス感染の確率が減るのも事実です。インフルエンザに限らず、風疹や麻疹、ノロウイルス、RSウイルスなど、飛沫感染する各種ウイルスも、ある程度はマスク着用でシャットアウトできます。
また、マスクには自分の吐いた息による保湿効果があります。インフルエンザウイルスは湿度が60%以上になると死滅するため、マスク着用による保湿効果は非常に意味があります。家族がインフルエンザにかかった場合、部屋で加湿器を使うのが効果的ですが、それと同様の効果をマスクがもたらしてくれます。
ちなみに、せきやくしゃみなどによって飛沫する唾液(5マイクロメートル以上)に含まれるウイルスは1メートル前後しか飛び散らないので、ウイルス感染した人の家族にはマスク着用の効果が見込めます。