『まんぷく』再登場が期待される片岡愛之助とアノ美女
連続テレビ小説『まんぷく』(NHK)は、残り1か月の放送を残すだけとなった。福子(安藤サクラ/33)と立花萬平(長谷川博己/41)を中心に即席ラーメンを開発した彼らだが、まだまだドタバタの真っただ中。物語最終盤にどのようなドラマを展開するか要注目だ。ここでは2月23日の放送を振り返り、残り1か月の注目ポイントを考えてみたい。
世良(桐谷健太/39)は「まんぷくラーメン」のまがい物が横行していることを、福子たちに告げる。萬平や真一(大谷亮平/38)たちはこれを検証するが、どの会社も劣悪なラーメンばかりだった。しかし1つの会社だけ、まんぷくラーメンに近いクオリティを実現していることが発覚。それにはある従業員の不自然な早期退職が絡んでいた……という展開だった。
産業スパイにより、まんぷくラーメンの技術が盗まれていたという衝撃的な回だった。ラーメンができたからといって幸せに一直線ではなく、このようにさまざまな苦労が待ち受けているのが、実に『まんぷく』らしい。
また、この放送回では、世良と真一の2人が、悪徳ラーメン会社に乗り込むというシーンに爆笑した。健康食品「ダネイホン」を作ったときにも同じようにこの2人が悪徳業者に押しかける場面があり、完全にあのシーンに乗っかっていたのだ。しかも前回はおとなしすぎた真一が、今回は大激怒するというまさかの展開だったのが興味深い。
朝ドラは半年という長きにわたるドラマだからこそ、回想シーンや今回のような「テンドンネタ」は視聴者を喜ばせてくれる。先週の放送で作られたまんぷくラーメンのCMは、物語前半で毎日のように流れていたダネイホンの広告ナレーションを彷彿とさせたし、萬平がニセモノにに怒り狂うシーンも何度見てきたか分からないが、既視感たっぷりなのが逆にいい。視聴者が「ああ、そんな場面あった」「懐かしい」と感じるサービスシーンは、まだまだ用意されているのではないだろうか。
そこで今後、注目したいのが「再登場」だ。コックの野呂(藤山扇二郎/32)は登場したが、ほかにもぜひ登場してほしい人がいる。
■最終盤で瀬戸康史に波乱が起きる!?
1人目は片岡愛之助(46)が演じた加地谷だ。物語の最初で萬平を裏切った加地谷は、以後は改心して要所要所で登場。ちんどん屋として萬平を応援するなど、意外な形で再登場していた。再び萬平の窮地を救うような活躍があれば、視聴者的にはグッとくるはず!
そしてもう1人はもっとマイナーなキャラ。「たちばな栄養食品」が東京に進出した際に近所の食堂で働いていた美女、美代子(藤本泉/27)である。神部(瀬戸康史/30)に思いを寄せる女性だったが、結局、なんの進展もないままでその後の音沙汰もなし。これは、このドラマで唯一、回収されてない伏線では? 子持ちになり落ち着いた神部くんの前に彼女が登場したら、ドラマが大いに盛り上がると思うのだが……。
「いやいや、塩軍団を忘れるな」など『まんぷく』ファンには、それぞれいろんな意見があるだろう。ぜひ推しキャラの復活を望みながら、ラスト1か月の放送を見届けてほしい。(朝ドラ批評家・半澤則吉)
※画像はNHK『まんぷく』番組公式ホームページから