年賀状と共に消えつつある服喪 かつては女性を厳しく束縛していた (2/2ページ)
当時は一般的な服喪期間を過ぎた後も、亡夫のために、ずっと喪服を着続ける女性が尊敬されていた。典型的なのは当時の英国女王であるヴィクトリア女王だ。彼女は夫のアルバート公が亡くなった後、生涯喪服を着続けていた。それは30年以上にも及ぶ年月で、そのような女性も少なくなかったのである。
■消えつつある服喪の習慣
現代の欧米ではそういった服喪の習慣は、ほとんどなくなったそうだ。親や連れ合いが亡くなったからといって、華やかな場所への出席を避ける事もない。反面、日本にはまだ服喪の習慣が存在している。
こう書くと驚く人もいそうだが、たとえば身内が亡くなった翌年の年賀状を出さず、その代わりとして喪中はがきを出すのも服喪の習慣なのである。とはいえ、ご存知の通り、年賀状を出す人もめっきり減ってしまった現代。日本から服喪の習慣がすっかり消えてしまうのも、そう遠くない話なのかもしれない。