秋津壽男“どっち?”の健康学「治療薬の少ない低血圧を改善する方法。運動で肉体改善か食事改善かどっち?」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「治療薬の少ない低血圧を改善する方法。運動で肉体改善か食事改善かどっち?」

 生活習慣が原因となる高血圧は、これまでも何度か本連載で解説してきました。今週は低血圧について考えてみましょう。

 WHO(世界保健機関)では、最高血圧100・最低血圧60(単位はともにmmHg)以下を低血圧と定義しています。低血圧には、立ちくらみやめまい、貧血気味、朝起きられない、頭痛や倦怠感、肩こり、動悸などの症状があり、痩せた人に多くみられる傾向にあります。

 では、ここで問題です。低血圧の改善法として有効なのは「運動」と「食事」のどちらでしょうか。

 低血圧は、いくつかの種類に分けられます。最も多いのが本態性低血圧で、疲れやすく虚弱体質な人によくみられます。急に立ち上がった時に立ちくらみを起こす起立性低血圧、高血圧治療薬服用による二次性低血圧、食後に血圧が下がる食後低血圧などがあります。

 立ちくらみで倒れてケガをする危険性こそありますが、すぐさま命に関わる症状ではないため、病気として重視されておらず、薬の研究もあまり進んでいません。そのため、100種類以上あるといわれる高血圧と比べて治療薬も少ないのが実情です。心臓の代謝を上げる昇圧剤は副作用で頻脈や不整脈を起こしやすく、興奮状態になるため不眠症に陥りやすくなります。

 一方、本態性低血圧は最高血圧80・最低血圧50でも普通に働いている人がいます。もちろん顔色は青白く、時々クラクラしてしまうそうです。本来なら、こうした人が薬の服用を必要とします。

 血圧は遺伝による影響が比較的多いとされています。痩せており青白い顔で活力のない人、神経質な人に多くみられ、両親が痩せていて神経質だと、その傾向を引き継ぎやすいという説もあるほどです。逆に両親が高血圧ですと、若い頃は低血圧に悩まされていたのに40歳を過ぎて太り始め、高血圧になることも珍しくはありません。特に高齢の方は注意が必要です。

 医師の中には、低血圧改善策として、いきなり水中ウォーキングやエアロビクスを勧める人もいます。肉体改善という点では効果はあるものの、いきなり激しい運動をするのはリスクが高いので、ウォーキングや階段の昇降から始めましょう。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「治療薬の少ない低血圧を改善する方法。運動で肉体改善か食事改善かどっち?」」のページです。デイリーニュースオンラインは、低血圧週刊アサヒ芸能 2019年 3/21号“どっち?”の健康学秋津壽男運動社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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