幸福の科学・千眼美子の『僕の彼女は魔法使い』がいろいろスゴかった【中井仲蔵映画評】 (3/4ページ)
清純な女子高生に扮した千眼美子の濃い化粧から始まり、とても現代の日本で書かれたとは思えないリアリティに欠けたセリフまわし、『スター・ウォーズ』や『ハリー・ポッター』シリーズなどからのユル~いパクリにくわえ、使用料1時間2万円のハウススタジオで家具などの備品を傷つけないよう最新の注意を払いながら撮影されたと思しきアクションシーンや、「ほぼ静止画」というレベルのCGなどが、その理由です。
察するに、予算も時間も才能も乏しい中で、制約だけはふんだんにあったんでしょうかね。少なくとも、ヒッチコックやキューブリックや黒澤明の霊は召喚できなかったようでした。
映画を観て意外だったのが、プロパガンダ映画だと思って身構えていたのに、独自の主張があまりなされていないこと。たとえば、大川隆法総裁が2009年に立党した政治団体『幸福実現党』のホームページでは、
〈国民の生命・安全・財産を守るために憲法9条を改正し、防衛軍を組織します〉
〈自衛のための核装備を進めます〉
〈防衛費を現状の2倍以上に引き上げ、10年以上はこの体制を維持します〉
などなど、けっこうエッジの効いた政策が書かれていますが、この『僕の彼女は魔法使い』では、「利己的になってはいけません」とか「人を妬んではいけません」という、普遍的なテーマしか受け取れませんでした。
「カルト映画」なんだから、そこはもうちょっと、ハッキリとしたオリジナリティというか個性というか、何も知らない異教徒がビックリして座り小便してしまうような、パンチの効いたテーマを打ち出してもらいたかったものです。
とはいえ、ぼくのような門外漢は上記のような感想を抱きましたが、もしかしたら修行を重ねて徳を積んだ方は、何か強烈なメッセージを受信できるようになるのかもしれませんけどね。
そう考えると、主人公が読んでいる『錬金術とヘルメス文書』という(架空の)書籍、千眼美子がぶら下げている「アスクレピオスの杖」みたいな形のペンダントなどの小道具も、ダサく見えるのは目くらましで、実際に観る人が観たら何か意味があるのかも。