泥沼の相続になってしまう恐れも… 「遺言書」をただ書くだけはいけない理由 (3/3ページ)
税理士さんや弁護士さんは立場が明確ですから、相談先としても分かりやすい。でも、人によっては財産の多くの割合を占める不動産の専門家の役割は大きいと思います。
――相続対策をサポートされる際は、被相続人と相続人どちらの方とお話することが多いのですか?曽根:亡くなる方よりも遺された方々とお会いすることが多いです。
――生前対策の場合はいかがですか?曽根:その場合はご家族全員に集まっていただきます。私たちが相続の相談を受ける際に一番多いトラブルは家族内でもめていることなんです。その理由を分析してみると、だいたいコミュニケーションができていない。財産の情報がオープンになっていない。それを防止する最大の手段は、元気なうちから被相続人が財産の状況や自分の気持ちをご家族の前でオープンにしてもらい、コミュニケーションを取って進めていくことなんですね。その上で、ご家族全員合意の上で遺言書までつくれば確実にもめません。
――つまり、準備が万全と。曽根:これでようやく円満に相続の手続きができます。だから、相続について話し合える雰囲気に持っていくことも私たちのサポートの一つです。今まではお金のことについてあまり話ができないような風潮がありましたから、意外と家族に伝えていないんです。遺言書もこっそり作っておくとか。
――遺言書があるだけまだ良いのではないですか?曽根:そうなのですが、逆にその「こっそり」というのがもめる原因になるんです。納得いかないと。また、遺言書の内容を知っていた人と知らなかった人がいたときの温度差ももめる原因ですね。
――確かに気持ちを逆なでする可能性がありますね。曽根:だから、遺言書も相続もオープンにしましょうということが私たちのメッセージです。ただ、ご家族自らそういう意識になるというのは難しいと思うので、サポートする立場のコンサルタントが円満な相続に導いていく役割を果たしていくという形ですね。
(後編に続く)