シン・ゴジラ「ヤシオリ作戦」の元ネタになった「八塩折の酒」ってどんなお酒? (3/4ページ)
【原文】「汝、可以衆菓釀酒八甕……」
※『日本書紀』巻第一 神代 上より
イメージ的には、お米で造った現代的な清酒よりも、例えば爛熟した柿が発酵してできたような、濁酒(どぶろく)や猿酒(さるざけ)に近いものだったのでしょう。
そして「八塩折」の意味を分解していくと、「八」とは「八百万(やおよろず)の神々」などのように「とにかくたくさん」を表わす吉数(末広がりで縁起がよい数)、「塩」とはここでは酒を造る過程で生じる醪(もろみ)の搾り汁、「折」とは折々のように繰り返すことを意味します。
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つまり八塩折の酒とは「たくさん(八回)搾った酒」という意味になりますが、そもそも「搾る」とはどういう行為なのか、酒造りをごくざっくりと見ていきましょう。
酒を造るには、素材と麹(こうじ)菌を仕込んだ水を発酵させた醪を搾って濾して寝かせるのですが、醪を搾った汁に再び素材と麹菌を仕込んで搾り、またその汁に素材と麹菌を仕込んで……というイメージです。
……とまぁ「酒で酒を仕込む」と口で言うのは簡単ですが、実際には温度調整など色々デリケートなのは言うまでもありません。
いずれにせよ、この搾りを繰り返すほどアルコールが強くなるそうで、さすがの八俣遠呂智も酔いつぶれてしまったのでした。
※余談ながら、酒豪のことを「蟒蛇(うわばみ)」と言いますが、昔から大蛇と酒には浅からぬ因縁があるようです。
終わりに八俣遠呂智を酔いつぶした八塩折の酒に準(なぞら)えて、ゴジラに一服盛ろうとした「ヤシオリ作戦」。