人間しか行わないとされている弔いや葬送は反自然行為?人間は反自然的存在? (4/4ページ)
■人間の本質は反自然的存在
美しく聞こえる自然賛美、自然回帰は偏った優性思想を生み出す危険がある。人間は弱い者を護るという、自然や動物とは異なった非合理的な存在だと認識するべきなのだ。しかし、仏教では「畜生道」も「人道」も同じ、解脱しなければ救われない、迷える六道のひとつと教えている。驕らず、謙虚に、自然との関係を考えていくべきだろう。
葬送、埋葬、弔い・・・は、単なる死体処理の手段ではなく、人間の本質の象徴であり、我々に人間とは何かを問うているのである。
■参考文献
■G.W.Fヘーゲル著 樫山欽四郎訳「精神現象学」(1997) 平凡社
■森謙二「墓と葬送のゆくえ」(2014) 吉川弘文館
■カール=ビンディング/アルフレート=ホッヘ 著 森下直貴/佐野誠訳 「『生きるに値しない命』とは誰のことか―ナチス安楽死思想の原典を読む」(2001) 窓社
■中村暁美「長期脳死 娘、有里と生きた1年9ヶ月」(2009) 岩波書店