女をダメにする男の特徴 (3/3ページ)
おじさんの策略だったかもしれないけど、私の胸はいちいちほっこりしていた。
◇都落ち
おじさんと別れ、私の家は都内一等地から下町に都落ちした。絶望でしかない。
生活能力が低すぎて電気や水道、ガスなどのライフラインを開設しないまま入居するという暴挙。電気なんて支払い方がわからなくて、1回止まった。
毎日ひもじいし寂しいしで、隣の席のあーりんに「これからひとりで生きていくのが不安すぎる」とこぼしたら、「さちこ。その不安って、普通は社会人1年目に味わうものだから」と一蹴された。正論でしかない。
◇おじさんと付き合ったことによる弊害
「おいしいお寿司屋さんがあるんだけど、一緒に行かない? ひとり2万円くらいだから安いでしょ♡」
お寿司を食べたい気持ちが止まらず、超絶ハイスペック男子にこう誘ったら、「頭がおかしい」と言われた。
そのときは意味がわからなくて、「それだけ稼いでるのに2万円のお寿司も奢ってくれないって何? ケチなの? ちゃんと庶民に富を分配しろ?? ていうかこんな若い女の子とデートできるんだから、もっとありがたく思え???」と心のなかで罵倒しまくった。
完全にただの勘ちがい女。
「若さ=お金」だと考えていたし、金銭感覚もズレまくっていた。そう、おじさんと別れて私に残ったのは、身の丈に合わない金銭感覚だけ。
付き合っているときは、表向きだけど大事にしてくれたし、嫌な思いをさせられたこともなかった。
だけどおじさんは、私の価値観をじわじわとねじ曲げ、まともな感覚では生きていけないように仕上げた。
おじさんと別れて1年近く経つ今。
少しは矯正したけど、いまだに6千円のランチを破格だと思ってしまうし、なんでもない日に5千円のチーズケーキをお取り寄せてしまう。成城石井に行けば、軽く5千円は散財する。おじさんの後遺症がひどい。
今回おじさんと付き合った5年間を振り返ってみたけど、改めて空っぽだったなって思う。だから、前言撤回します。
おじさんに対する気持ちは、やっぱり愛情なんかじゃない。あれはただの錯覚でした。
だから私の5年間返して!!!!!!
(文:さちこ/マイナビウーマン編集部、イラスト:矢島光)