伝説の「春のセンバツ対決」王者・大坂桐蔭をギリギリまで追い詰めた三重! (1/2ページ)
王者が追いつめられていた。
昨年春の選抜第90回記念大会の準決勝第2試合。三重対大阪桐蔭の一戦は2‐1と三重が1点をリードして9回裏、大阪桐蔭最後の攻撃を迎えていた。この年の大阪桐蔭は前年春の選抜王者として史上3校目となる春連覇を狙っての甲子園入り。もちろんV候補の大本命で初戦から伊万里を(佐賀)14‐2、明秀日立(茨城)を5‐1、花巻東(岩手)を19‐0と圧倒して堂々のベスト4進出だった。それがこの準決勝では8回を終わって今大会初めてとなる追う展開。まさかの状況に、明らかに焦りがあった。
最初に試合が動いたのは3回表。三重は大阪桐蔭のエース・柿木漣(北海道日本ハム)に対し、9番・井上裕斗、1番・梶田漣が連打し、1死一、二塁のチャンスを作ると2番・浦口輝がセンターオーバーの適時三塁打で2点を先制。投げてはエース・定本拓真が6回裏に大阪桐蔭6番の山田健太にレフトスタンドへ飛び込むソロアーチを打たれたものの、それ以外は強打の大阪桐蔭に3安打しか許さない。140キロを超える直球で大阪桐蔭自慢の左バッターの内角を果敢についたかと思えば、スライダーやフォークも駆使。さらに時折交ぜる100キロ台のスローカーブも効果的に決まった。王者・大阪桐蔭を完全に手玉に取っていたのである。
だが、土壇場の9回裏、眠っていた王者がついに目覚める。5番・根尾昴(中日)が四球で出塁。6番の山田は送りバント失敗の捕邪飛に倒れるも、7番・石川瑞貴が粘って左前安打でつなぐ。そしてこの1死一、二塁から8番の小泉航平が執念の右前適時打を放ち、とうとう同点に追いついたのだ。
試合はそのまま延長へ。三重は定本が続投。大阪桐蔭は5回から登板した2番手の根尾がキレのある直球やスライダーでこの12回までの8イニングを被安打4の無失点。二塁を踏ませない力投を見せる。この大会から12回を終わって同点の場合は次の13回の攻撃からタイブレーク制度が導入されることになっていた。今大会、ここまで5試合の延長戦があったもの、すべて10回で決着。この試合が初めてのタイブレークとなる。満員の甲子園球場場内にはそんな予感が漂い始めていた。
注目の12回裏。大阪桐蔭は1死から2番・青池斗舞がショートゴロエラーで出塁する。