大泉洋の出身地は長寿! 日本全国「長生きできる町」ランキング

日刊大衆

大泉洋の出身地は長寿! 日本全国「長生きできる町」ランキング

 長寿には日々の心掛けが重要だが、「暮らしている場所」によっても平均寿命は大きく異なっているのだ――。

 都会のマンションで暮らすのか、郊外のベッドタウンで生活するのか、はたまた、田舎にIターン移住するのか――。「人生100年時代」とも言われる昨今、老後の選択肢は無数にある。とはいえ、誰しも「健康で長生きしたい」のは同じ。そこで今回は「どこに住むか?」に焦点を当てて、ご長寿ライフを分析してみた。

 使用したデータは、昨年4月に厚生労働省より公表された「2015年の市区町村別の平均寿命」。これを読み解くことで、「長生きできる町」が判明するのだ。文末の表は全国47都道府県の市区町村別の「長寿ベスト3、短命ワースト3」のリスト。「長生き」するための理想の町を知る参考にしてほしい。

 では、北海道から順に見ていこう。長寿1位の江別市は「札幌市に次ぐ規模の街」で、俳優・大泉洋の出身地としても知られているが、総合病院や大学があり、札幌にも出やすいという「住みやすい」町だ。一方、短命ワースト1位の三笠市は、全国で3番目に人口が少ない市。「県民性」研究の第一人者・矢野新一氏は、こう語る。「基本的には、長寿の市町村は人口が増えている地域で、逆に短命の市町村は人口が減っている傾向にあります。だから、長寿ベスト3にはベッドタウンが多い。短命ワーストは北海道の三笠市が典型例で、ここは炭鉱の町で人口が減っているんです」

 本州最北端の青森県は、県全体の平均寿命がダントツで低い。青森県民は「しょっぱ口」と呼ばれるように、料理の味つけがしょっぱいことが短命の原因といわれている。実際、食塩の年間消費量は1位(4キロ超)で、全国平均の2倍以上を消費する塩大国なのだ。「東北地方全体で“塩分を減らそう”という運動を行っているんですが、青森は他の県に遅れをとってしまった。青森は、塩分が多い食品ランキングのトップであるカップラーメンの1世帯あたりの消費量も全国1位で、冬は豪雪も手伝ってか、病院に行きたがらない人も多い。生活習慣を変えるのがむずかしいんでしょう」(前同)

 岩手県の長寿1位である北上市は岩手県の「住みやすさランキング」で9年連続1位を記録しており、県内屈指の利便性の高い街として知られている。テレビ番組でも活躍中の秋津医院の秋津壽男院長は、老後のIターン先の一つとして岩手県を勧める。「実は、岩手県は心臓の病気による死亡者数が少ないというデータがあります。岩手医科大学附属病院を中心として、救急体制が田舎のほうまで整っているので、何かあれば、すぐに駆け込むことができるんです」

■餃子はスーパーフード!

 栃木県の長寿1位・宇都宮市と静岡県の長寿2位・浜松市には“餃子都市”という共通点がある。両市は餃子の年間消費量を争っているのだ。「餃子は“スーパーフード”です。肉のタンパク質と脂質、野菜のビタミンとミネラル、そこに皮の炭水化物もあり、バランスがよい食品。さらに、ニラとニンニクに含まれているアリシンには殺菌作用があり、豚肉に含まれるビタミンB1と、食べると疲労回復につながります」(栄養士)

 東京都の長寿1位の世田谷区と、ワースト1位の足立区は対照的だ。前出の秋津壽男院長が言う。「長寿と所得はリンクしていて、健康にお金をかけられる人が多い地域ほど長生きしている人が多いんです。健康によいものを食べようとするとお金がかかるし、安くすませようと思うとジャンクフードになってしまう。所得が高い人のほうが、人間ドックに行く回数も多くなりますしね」

 北陸地方の長寿1位都市に関しては、東洋経済新報社が全国の都市を対象に毎年公表している「住みよさランキング」が興味深い。2位に富山県の南砺市(長寿2位)、5位に石川県の野々市市(長寿1位)、7位に福井県の鯖江市(長寿1位)がランクインしているからだ。

「富山県の南砺市は住宅面積が全国1位ということもあって、都会からの移住者が増えています。自然豊かでありながら、金沢市へのアクセスも便利なので、Iターン希望者にとって理想的な土地なんです」(地元不動産関係者)

 平均寿命で全国トップに大化けしたのが、長野県だ。前出の矢野氏は、「真面目な県民性が平均寿命の高さに影響している」と分析し、こう続ける。「長野では、野沢菜などを頻繁に食べることが塩分摂取量の高さにつながり、1960年頃から脳卒中による死亡者が急増しました。これを受けて、80年頃から保健補導員や食生活改善推進員たちが各家庭を訪ねて、啓発活動に励んだんです」

 また、高齢者の就業率、公民館数、博物館数、ボランティア参加率、旅行に行く人の割合で、長野県はすべて全国10位以内に入っており、高齢者にとって「生きがい」が多い県なのだ。「長寿にはコミュニケーションが大いに影響しています。区民センターのように高齢者が集まることができる施設が多い地域は、平均寿命が高い傾向にあるんです」(前出の秋津院長)

■名古屋市は愛知県の短命ワースト1位

 岐阜県の長寿1位である可児市は名古屋市から約30キロの距離にあるため、ベッドタウンとして発展している町だ。一方、その名古屋市は愛知県の短命ワースト1位。手羽先、味噌煮込みうどん、きしめん、味噌カツ、天むすといった塩分多めの“なごやめし”が原因とする説が有力だ。「一般に県庁所在地は健康意識が高い人が多いはずなのですが、名古屋市は異なるようです。また“なごやめし”は見た目が茶色で味が濃いので、塩分の多さは否めません」(矢野氏)

 名古屋市民の“車好き”も、短命ワーストの理由の一つだという。「トヨタの城下町ということもあって、一家に1台ではなく、一人1台所有しており、近所のコンビニでも車で行くんです。 名古屋から東京に転勤した人が電車通勤にしたら、体重が5キロ減った、なんていう話も聞きました」(秋津院長)

 滋賀県は長野県と並んで長寿県第1位。スポーツの年間行動率が全国4位で、スポーツジムに通うなど、活動的な高齢者が多いのも特徴的だ。滋賀県の長寿の理由には、名物「鮒寿司」の存在も挙げられる。「鮒寿司は、昔は“薬代わり”にもなっていた健康食品です。豊富に含まれる乳酸菌が整腸作用を高めて、長寿につながったのでしょう」(前出の栄養士)

 大阪の長寿ベスト1である吹田市は、SUUMOの「住みたい街ランキング2017」で7位に入っている。京都や奈良、兵庫と大阪以外へのアクセスも充実しており、公園やスーパー、病院や学校などの施設も多く、住環境が整っている。一方で、短命ワースト1の大阪市は「名古屋市同様に味つけの濃い料理が健康に悪影響を及ぼしていると思われます」(矢野氏)と振るわない。

 “因幡の白ウサギ”の伝承でおなじみの島根県出雲市は、名産品のモロヘイヤが効いている。モロヘイヤは「不老長寿」の異名を持つほど栄養価が高い。

 また、広島県の長寿トップである廿日市市は、県内の牡蠣の約16~17%が生産されている。「長寿」と「食」は切っても切れない関係のようだ。

 香川県三木町の特産品は希少糖。希少糖は血糖値の上昇や脂肪の蓄積を抑制してくれる食品だが、まだ、県全体にまで浸透しているとは言い難い。「香川県は08年に糖尿病全国ワースト1位というデータが出たのですが、県を挙げて糖尿病対策に取り組んだことで改善されました。現在も県民の健康づくりの推進に積極的で、今後、長寿県になる可能性が高いと思います」(矢野氏)

 秋津院長は、移住先として高知県を勧める。「高知県は温暖であり、日本で一番医者の人口密度が高く、病院の率も日本一です。それだけ医療レベルも高いといえます」

■沖縄は長寿県でなくなってしまった

 熊本県の宇土市は有明海で取れる海苔が名産。海苔には認知機能や血管によい働きを促すEPAや葉酸が含まれている。

 大分県大分市は、アサリの購入数量が全国2位、焼肉の消費金額が全国2位と、疲労回復に効果のある食品を多く摂取しているため、長寿。

 最南端の沖縄県は、1995年には平均寿命で全国4位だったが、現在は36位と大きく順位を落としている。ではなぜ、沖縄は“長寿県”でなくなってしまったのか。「戦後、食生活がアメリカ化されたことが原因だと思われます。実際、肥満率が全国で1位なんです」(矢野氏)

 さらに、米軍関連の病院が各地にあるため、救急体制は発達しているんです。本土から研修に行く医者もいるくらいです。ただ、“逆さ仏”と言われているように、高齢者は長生きして、若者が先に死んでしまう傾向があります。沖縄の最近の習慣は、“飲んだ後の締めがステーキ”ですからね」(秋津院長)

 ただ、「長生きできる町」に住んだからといって健康になれるわけではない。秋津院長は、自己管理の必要性を説く。「簡単にできる自己管理として体重と血圧のチェックをお勧めしたいです。体重計と血圧計を買うだけで、病気を早期発見できますから。体重が増えれば肝臓病や糖尿病の予備軍で、血圧が高くなれば脳梗塞や心筋梗塞の危険性がある」

 さらに、異性に関心を持ち“生涯現役”を目指すことも、長寿においては不可欠なんだとか。長寿には「住・食・性」の充実が大切なようだ。

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