高僧が長寿である理由や過去の高僧の寿命、僧侶の葬儀について調べてみた (2/2ページ)

心に残る家族葬

因みに画家では小倉遊亀106歳、片岡球子103歳、奥村土牛101歳、梅原龍三郎97歳、中川一政97歳、熊谷守一97歳、鏑木清方93歳、前田青邨92歳、東山魁夷90歳、横山大観89歳、昔の画家でも葛飾北斎88歳、仙厓義梵(禅僧)87歳、富岡鉄斎(儒学者)87歳、雪舟(禅僧)86歳、伊藤若冲84歳など数多くの高名な画家が長寿である。

■高僧が長寿である理由

高僧が長寿である理由は(1)規則正しい生活(2)暴飲暴食せず、粗食である(3)毎日朗々とした大声でお経をあげている(4)修行により精神的に安定している、などをあげてみたが、お坊さんはどう考えているだろうか。

臨済宗妙心寺派宝泰寺住職 藤原東演師の書かれた「お坊さんに学ぶ 長生きの練習」を読むと お坊さんの長寿の秘訣は以下の通りだそうで、生活習慣によるものとのこと。

(1)呼・・・呼吸を調える
(2)食・・・節度ある食事
(3)心・・・感情のコントロール
(4)生・・・決まったルーチン
(5)経・・・声を出して読む

なお、高名な画家の長寿の秘訣については医学博士 霜田里絵氏の「一流の画家はなぜ長寿なのか」をお読みいただきたい。

■高僧の死は「遷化(せんげ)」と言う

高僧の死を「遷化(せんげ)」と言う。正しくは遷移化滅(せんいけめつ)で、遷化はそれを略した言葉である。

遷化とは大乗仏教で、菩薩が身体を他の世界に移して、衆生を教化することをいい、転じて高僧の死に用いる。しかし宗派によって違いがあるようで、天台宗では住職、副住職が亡くなると「遷化」で、その他の僧侶については「逝去」となる。曹洞宗では「示寇(じじゃく)」、日蓮正宗では「逝去」を用いる。実際には高僧でなくとも、お坊さんが亡くなられた時には、尊敬の念を持って、遷化を使うことが多いようだ。

■僧侶の葬儀と一般の葬儀の違い

僧侶の葬儀の構成は一般の葬儀と殆ど変わらない。もっとも大きな違いは引導の有無である。引導とは、すべての生きるものに対して、仏の道へ導くことである。葬儀の最後に行われるのが、引導の儀式で、故人を称え、彼岸へと導く法語を唱え、松明を模したものを棺や祭壇に置くこともある(浄土真宗では信者であれば、死後は必ず浄土へ行けるので、引導は無い)。しかし僧侶は生前成仏しているとみなすので、引導は渡さないということである。  

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