フィリピン・ルソン島で未知の小さな人類(ヒト族)が発見される「ホモ・ルゾネンシス」 (2/4ページ)
ホモ・ルゾネンシスの歯 image credit:Callao Cave Archaeology Project
・既存の化石に類似しつつも異なる特徴を持つ未知の人類
考古学者のフローラン・デトロワ氏(仏国立自然史博物館)によると、化石は見慣れた形でありながら、私たちをはじめとするヒトとは違う特徴を持っているという。
たとえば小臼歯は、アウストラロピテクスやホモ・エレクトスにある特徴を備えているが、大臼歯は、小ぶりではあるが、ホモ・サピエンスに似た形状である。
足骨(特に趾骨)は、我々のものよりも大きく湾曲しており、木登りが上手だった可能性が窺える。
「趾骨(足の指の骨)は、アウストラロピテクスのものとよく類似しています。これらの特徴を合わせ持つ個体を、既知の種に分類することはできません。」とデトロワ氏。
・5万年以上前の小型のヒト族
考古学者のライナー・グリューン氏(オーストラリア・グリフィス大学)がウラン・トリウム法で年代を測定したところ、骨は5万年よりも古い時代のものであることが判明した。
ホモ・ルゾネンシスは「完全に新しいヒト族」とグリューン氏は話す。