第一次世界大戦時、弾丸から兵士の命を守った奇跡のコイン(イギリス) (2/3ページ)
ドイツ兵が放った銃弾は、ジョンの胸ポケットの中のコインに当たって斜めに跳ね返り、ジョンの鼻を貫通して左耳を抜けて出た。
そのせいで、ジョンはその後の生涯、左耳が聞こえなくなった。
孫娘のモーリーン・クールソンによると、ジョンは、1918年9月に軍を名誉除隊し、家に帰ってきた。結婚し、8人の子どもをもうけ、郵便局長や電話交換手として働いていたという。
ジョン・トリケットと彼の命を救ったコイン
image credit:HANSONS AUCTIONEERS AND VALUERS LTD
モーリーンは、ハンソンズ・オークションが恒例で行う評価イベント広告を見て、このコインとジョンのその他の持ち物をスティーブンソンに提供した。
スティーブンソンは、使われている金属がほとんど価値がないこともあって、最終的にかなり低い評価額をつけた。
銃弾をブロックし、持ち主の生死を分けた日常品の話は、スティーブンソンにとって初めてではなかった。
聖書、髭剃り用鏡、シガレットケースなど、けっこうあるという。戦時中には、もしかしたらこれで命が助かるかもという可能性をあからさまにうたって、ぶ厚い鏡の宣伝を始める業者もいた。
「このペニー硬貨がなければ、トリケット家の子どもたちはなく、私も生まれていなかっと思うと、不思議な気持ちになります」モーリーンは言う。
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こうしたなんのことはない日用品に命を救われたと、モーリーンと同じことを言う家族がほかにももっとたくさんいるかもしれない。