世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第316回MMTという黒船の上陸(中編) (2/3ページ)

週刊実話

というわけで、主流派経済学や財政破綻論者が言う、「国債発行で資金が逼迫し、金利が急騰する」などといった事態は起きようがないのだ。

 実は、MMTの正しさについて身をもって“証明してしまった”のが、我が国なのである。図の通り、日本政府は「政府の長期債務残高」を、1970年と比較して2018年には「152倍(!)」以上に増やした。ところが、長期金利は急騰するどころか、逆に急落していった。長期金利は本稿執筆時点で、何とマイナス0・055%。金利急騰で破綻するどころか、金利がマイナス領域を漂っている。

 デフレ継続で民間企業などの資金需要が乏しく、かつインフレ予想ならぬ「デフレ予想」が蔓延している状況で、金利が上がるはずがない。例えば、銀行が貸し出しの際に「高めの金利」を借り手である民間企業などに提示した場合、単に「あ、ならば借りません」となるだけだ。資金需要が高まり、インフレ予想に転じない限り、政府の財政赤字や国債発行とは無関係に、日本の金利の低迷は継続する。

 あるいは、日本銀行が日銀当座預金を発行し、国債を買い取ると「ハイパーインフレーションになる!」と、破綻論者や経済学者が大騒ぎをすることが繰り返されてきた。とはいえ、日銀の国債買取とは、我々一般の国民や企業が「使えないおカネ」である日銀当座預金を発行し、銀行から政府の借用証書(国債)を買い取るオペレーションにすぎない。

 つまりは、いわゆる量的緩和政策を推進したところで、モノやサービスの購入が増えるわけではないのだ。モノやサービスが買われない状況でインフレ率が上がるはずがない。

 実際、2013年に黒田東彦氏が日銀総裁に就任して以降、日銀は370兆円(!)を超すおカネ(日銀当座預金)を発行し、主に国債を買い取っていったが、インフレ率はハイパーインフレどころかゼロのままだ。日銀がマネタリーベースを増やしたところで、反対側で政府が緊縮財政、国民にモノやサービスを買わせない政策(消費税増税など)を推進し、自らも支出削減を続けている以上、インフレになるはずがないのだ。

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