〈企業・経済深層レポート〉 10億5000万円の債務超過 業界元トップ・小僧寿しが没落寸前 (2/2ページ)
加えて、多くの客が来店する大型回転ずしではネタの鮮度も高いため、徐々に小僧寿しのリピーターが回転ずしに流れていったのです」(同)
この様に低価格を売りにした格安回転ずしチェーンが台頭してきたことで、小僧寿しの強みであった“低価格”では太刀打ちできなくなる。
「最近のすし業界は、二極化が進んでいて、スシローに代表されるように、安くてほどほどのネタを提供するコスパの高い格安すし店か、鮮度が高くて美味しい高級店が人気を集めていて、どっちつかずの価格帯の店は、客足が遠のいています。かつては低価格路線で“革命”を起こした小僧寿しですが、今ではどっちつかずの中途半端な店に成り下がっています」(同)
回転ずしだけでなく、さらに小僧寿しを低迷させたのが、すしデリバリー店の増加だ。
「首都圏を中心に次々とデリバリー店が林立しています。中でも、全国展開して業績を伸ばしているのが『銀のさら』です。これらデリバリー店は小僧寿しと比較して、けして安くはありませんが、利便性と良質のネタを提供。持ち味である、“持ち帰り”の領域を狭めました。また、デリバリーも多様化し、今ではピザ、ハンバーガー、中華料理、イタリアン料理などがあり、すしという料理そのものが選ばれづらくなっています」(同)
外食産業全体の業績が伸び悩む中で、すし業界に限っていえば右肩上がりの成長を続けてきた。しかし、民間大手調査会社の調査では、2013年以降、毎年30件前後、2018年は27件のすし屋を運営する企業が倒産している。
「業界全体が低迷し始めて企業も対策に力を入れています。『スシロー』や『はま寿司』では、ポテトやラーメン、アイスクリーム、ケーキ、ハンバーグといったすし屋とは思えない料理を提供。ファミレス並みのメニューで、単にすしを売るだけという店から様変わりしているのです」(すし業界関係者)
一方、小僧寿しもただ指をくわえているだけではなく、様々な対策を打って出ている。
「2014年に不採算店を中心にラーメン店『麺や小僧』を展開。だが、2016年には撤退しています。今は一部店舗で、しょうゆ味ベースのから揚げ弁当を売り出しているが、現状は業績を回復させるまでには至っていない。すべて後手後手に回った感は否めないですね」(同)
今後デリバリーに力を入れるという小僧寿しは、巻き返しが可能だろうか。強みを失った小僧寿しには、難しいのではないだろうか。