宇宙で1年暮らすと大便はどう変わる?腸内細菌は?NASAの宇宙飛行士、スコット・ケリーさんの場合 (2/2ページ)

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 NASAがこの研究にかける意気込みは強く、国際宇宙ステーションにいるケリーさんの大便を回収するためにロケットまで打ち上げられていた。

 ケリーさんはその都度、自分の大便を綿棒でほじくって、それを冷凍保存し、地球へ送り返していたのである。

 それは地味だが重要な作業だった。しかも、大便の運搬役を担ったロケットの1つだったスペースXの機体が、2015年の打ち上げ直後に爆発してしまうというトラブルもあった。

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image credit:nasa.gov

・腸内細菌は変化したが危険はなし。6か月で元の状態に

 ケリーさんの大便サンプルを調査した結果、宇宙滞在の間に腸内細菌が変化したことが明らかになった。

 だが幸いなことに、腸内細菌に「危険な、あるいは恐ろしい」ものは一切含まれておらず、地球に帰還してから6ヶ月もしたら元通りに戻ったようだ。

 研究者によれば、「宇宙で多少変化したとはいえ、ケリーさんの細菌叢(さいきんそう)は相変わらずケリーさんらしいもの」だったそうだ。

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・テロメアが伸びるもやはり地球に戻ると元に戻った
image credit:nasa.gov

 また、研究からは、ケリーさんのテロメア(寿命と関係するとされる染色体のキャップ)が伸びていたことも明らかになった。

 ただしNASAはその原因について、適度な運動とバランスのとれた食事のおかげでは? と推測している。そして残念ながら、地球に帰還後、また短くなってしまったようだ。

 ほかにも遺伝子の発現にも変化があったことがわかっている。

References:science/ written by hiroching / edited by parumo
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