令和に振り返る「平成バブルから生まれた恋愛観」 (2/3ページ)

マイナビウーマン

もともと実体経済の成長以上に膨れ上がった泡がある意味幻想のようなものだったわけで、泡が弾けて消えても、幻想が打ち砕かれるにはまだ時間がかかるようだった。バブルの象徴のように思い出されるジュリアナ東京が、実際はバブル経済崩壊直後にオープンしたというのは有名な話だし、TKプロデュースの派手な楽曲もアムラーブームも、バブルが弾けてだいぶ時間が経ってから社会を席巻した。

そんな、資産価値が暴落していく中で、ゴージャスな装いが色濃く残っていた時代、子どもたちのごっこ遊びでも、「バブルが弾けた」「破産した」なんていう覚えたての言葉が飛び交うようになるのだが、女の子たちが演じるのはまだ高飛車で男性によって贅沢をしたがる女性たちの姿だった。

覚えているのは、小学3年生のときの校外レクリエーションで、閉店した洋品店の前をたまたま通りかかった際に、私が親しかったクラスの男子が「バブルがはじけてお店が潰れたんだよ」と言って、そこの店主になりきってままごとのような寸劇をはじめたときのこと。

妻役のつもりの私が「シャネルの香水の買いすぎでお金がないわ、もう離婚よ」とかいうセリフを言って、娘役の友人は「知らなーい。さてお化粧お化粧」なんて言って頬に白粉を叩くふりをした。店主の男子は「もうこの家も住めないから夜逃げするぞ」と言うが、私は「離婚するから私は行かない」、娘役は「引っ越しするなら銀座に住んで三越の息子と結婚する」なんて食いちがうおかしな会話をしたのだった。

男子は、なんとなくニュースや大人たちの言葉から聞き取った景気後退の足音を、覚えたての慣用句とともに披露したかっただけかもしれないけれど、女子たちの目に映っていたのは、豊かな男性たちが見せるだけ見せてきた、薄っぺらい甘美な夢の残り香だった。落ち込む男性たちの気分的な暗さに比べて、女性たちがまだまだ飽き足らない、と華やかに生きようとするそのあとの時代が、なんとなく端的に表れているようで、忘れられない1コマでもある。

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