中世のトイレって・・・イギリスで発見された12世紀のトイレを詳しく分析したところ、利用者が特定できた! (3/4ページ)
その建物は、1100年代半ばに帽子屋を営んでいたジョン・デフレートという人物が所有する店舗兼アパートで、当時はまだ地上を流れていたフリート川の小島に建っていた。
板があった場所はそのアパートの裏にあたることから、デフレート氏とその妻カサンドラを含む一家と複数の人々が便座の利用者だったと考えられる。
・川の痕跡も有力な手がかりに。研究者も感激!
その後の900年で開発などが進み、当時と現在のロンドンはかなり様変わりしている。
だがこの辺の人々は新たな建物を建てる前に土地をきれいにならす習慣がないため、たとえ川を地下に移しても、その川が作った地形の面影が残っている。それが調査の良い手がかりになったようだ。
なお、かつてデフレート氏のアパートがあった場所は、現在のセントポール大聖堂付近にあたるという。
通常であれば「はるか昔の誰か」のものとしかみなされない遺物に、こんなに詳しい情報が得られたのは発掘にかかわった研究者にとっても喜ばしいことだ。
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スナムールさんもこの調査に感激していて「利用者らしき人のことが特定できるなんてすごいですよ。この便座は本当に魅力的な遺物ですが、当時はありふれたものだったに違いありません」と語っている。
・今年5月にレプリカと一緒に博物館に展示
とはいえ、今回の遺物についてわからない点は他にもたくさんある。