田中角栄「怒涛の戦後史」(2)母・田中フメ(上) (3/3ページ)

週刊実話


「越後線の駅員にでもなってくれれば…そう思っていた」

 これに対して、田中は前出の著書の中で、こう母の胸中を推しはかっている。
「長年、苦労した母には、汽笛が『フケイキー、フケイキー』と聞こえる越後線の切符切りでさえ、安定した仕事に映っていたのではなかったか」

 母親というものは、息子がいくつになっても“わが子”である。代議士となった田中は、永田町での階段を駆け上がっていく。

 フメの心配事は、嬉しさの中で逆に広がっていくのだった。
(文中敬称略/この項つづく)

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【著者】=早大卒。永田町取材49年のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『愛蔵版 角栄一代』(セブン&アイ出版)、『高度経済成長に挑んだ男たち』(ビジネス社)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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