皇位継承で話題となった三種の神器は神道の葬儀(神葬祭)でも用いられる (2/2ページ)

心に残る家族葬

仏式の葬儀は、故人を仏様のいる極楽浄土へ送るためのものであるが、特定の神様を持たず、山、川、森といった自然、そして人を崇めて来た神道の神葬式・神葬祭は、故人を家を守る氏神様とするための儀式である。

神道では「死」は穢れ(けがれ)、不浄とされているため、神葬式は穢れを清めるために儀式でもある。その他、仏式との主な違いは、数珠は持たない、御香典袋の表書きには「御玉串料」や「御神前」と書く。戒名はなく守護神となるための「諡(おくりな)」を付ける、位牌はない、など。参列者が榊の木に「四手(しで)」と呼ばれる紙を結んで作った玉串を祭壇に奉納する「玉串奉奠」は仏式のお焼香に当たり、三種の神器をはじめとるす様々な道具を祭壇に飾るところも仏式との大きな違いだ。

神道の死生観の中心は「家」であり、仏教伝来以前から先祖崇拝の概念を持っていた。日本の仏教における先祖供養は、神道の影響が大きいと言える。

■未だ謎に包まれる三種の神器

三種の神器は現在、八咫鏡は伊勢神宮、草薙剣は熱田神宮、八尺瓊勾玉のみが皇居内に祀られている。そのため、皇居での式典で使用される八咫鏡と草薙剣は「形代(かたしろ)」と呼ばれるレプリカであるが、レプリカも本物同様、神聖なものとして大切に安置されている。

紀元前からの長い歴史の中で、皇位継承を主張する平家が安徳天皇と三種の神器と共に海に没した壇ノ浦の戦いや、伊勢神宮、熱田神宮の火災、また、昔から見てはいけないものとされ、現在でも皇族ですら本物を目にした事がないと言われている事から、その存在については今も多くの謎に包まれている。

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