天才テリー伊藤対談「目黒祐樹」(2)留学から帰ったら急転直下の展開が (2/2ページ)
それで、ボストン大学の演劇科に入ったんです。
テリー 本格的に演技の勉強をしようと。
目黒 そのつもりだったんですけど‥‥。もうその頃はアメリカ生活も4年半ぐらいになっていたので、ホームシックになってしまって大学を2年で中退して、日本に帰ってきちゃったんですよ。
テリー ハハハハ、せっかくの決意が台なしじゃないですか!
目黒 実にお恥ずかしい話で(苦笑)。帰国してから1年ぐらいプラプラしていたんですが、そんな時「留学中に書いていた日記を本にしないか」と声をかけていただきまして。
テリー ああ、ミッキーさんと同じような感じの。
目黒 そうです、当時は海外に行くこと自体が珍しかったですからね。それを書いている最中に、発足したばかりのCBSソニーレコードから歌手デビューすることが決まって、さらに松竹から映画主演の話が来たんです。
テリー 何ですか、その急転直下の展開は(笑)。
目黒 その頃は兄貴も役者でしたし、「近衛の息子で松方弘樹の弟が、最近帰国したから話題性があるぞ」みたいなことだったんでしょう。なにしろ親と兄貴の“十四光り”ですからね。
テリー 七光り×2ですか(笑)。確かに目黒さんは男前だけど、ここまでの話は恵まれすぎていますよね。
目黒 もう、親と兄貴に感謝するしかないですね。僕の力なんて何もないですから。今考えても、実にお恥ずかしい話ですよ。