四十九日の法要に「傘持」をお供えする理由と「ひっぱり餅」との違いを解説 (1/2ページ)

心に残る家族葬

四十九日の法要に「傘持」をお供えする理由と「ひっぱり餅」との違いを解説

日本人の生活にとって「お餅」は切っても切り離せない存在だ。お正月の鏡餅やお餅つき、一歳の誕生日を祝う一升餅、桃の節句の菱餅、古くは、節分、端午の節句、お盆、田植えに刈り入れ、お祭りと、お餅は日本の行事に欠かせない物だった。日本人は、お餅と共に生きてきたとも言えるだろう。そんな日本人のこの世での最後の行事、お葬式にも勿論お餅は登場する。それが、四十九日に御供えされる「傘餅」だ。今回は、この傘餅について少し調べてみた。

■宗派によって異なる傘餅の由来

人間が亡くなってから六道(天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道)への行き先が決まる期間を中有、中陰と呼び、その期間の終わりに行き先が決まる日が、満中陰と呼ばれる四十九日だ。曹洞宗、真言宗、天台宗では、この四十九日の法要で「傘餅」と呼ばれるお餅を御霊前にお供えする。

■丸い子餅を円形に並び積み上げ、最後に大きな丸いのし餅をのせて傘餅の完成

お餅を積み上げて丸いテーブルのような形にする傘餅は、49個の小餅と1枚の大きな「のし餅」で作られる。まず7個の丸い小餅を円形に並べ、その上に同じ小餅を7個づつ柱にように積み上げて行く。そして、一番上に大きな丸いのし餅を重ね、テーブルのような形にするのだ。その重さは約1升(2キロ)にもなる。

■傘餅をお供えする理由も各宗派で異なる

傘餅をお供えする由来や意味には、曹洞宗、真言宗、天台宗、それぞれに諸説があり、満中陰までの49日間の旅をする死者のための食料と傘を表していると言う説や、地獄道へ行く事になった死者のために、お餅をお供えして死者の手足に釘を打たれないようにする説、餅が人間の骨を表し、死者の六道の行き先が決まった時、餅が死者の骨となる説、などが代表的な由来である。

■傘餅の持つ意味

お坊様による四十九日の法要が終わると、用意された綺麗な包丁とまな板を使って、お坊様が傘餅の一番大きなのし餅の部分を切り分けて行く。すげ傘、顔、首、腕、脚、胴、杖と、約10パーツに切り分けられたのし餅は、お坊様によって人型に並べられる。それは、すげ傘を被り、杖を持った極楽浄土への「お旅立ち」の姿だ。その姿は、なんだかとても愛らしい。

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