国内だけでは不可能? 貿易アドバイザーが明かすビジネスの勝ち筋の見つけ方(前編) (3/4ページ)
通例や慣習のようなものもあります。
――先日、白血病の新薬が保険適用になったというニュースが流れましたが、価格が3349万円と高額です。ただ、この場合は研究開発費なども莫大でしょうし、メーカー側としてはそのくらい高額でないといけないという判断をしたということでしょうか。大須賀:新薬の研究・開発には相当な経費がかかっているし、他の会社が同じように造れるものではないですよね。だから、そのくらいの付加価値をつけても問題ないという判断なのではないかと思います。世界にないものだから、自由に値付けができる。必要なものだから購入する人がいる。その2点は大きいように思います。
――品質が良く希少性が高いと、値段も高く設定できるわけですね。ただ、定価に囲まれて日々を過ごしている以上、値付けの感覚を磨く機会はそうそうないと思います。大須賀:そうかもしれません。サラリーマンの場合、自分で自分の値決めをすることも難しいわけですからね。給料は上司や経営層に評価されて決まるものです。誰かに判断される世界に続けると、値決めの感覚を養うことはできないということです。
ただ、アメリカなどでは、極端ではありますけど「自分は年収1200万円の仕事をします。できなかったらクビにしてください」というような就職の仕方をしている人が多いですよね。それは自分で自分の価値を付けているということですから。
――そして、年収1200万円に見合った仕事ができればOKと。大須賀:相手が認めれば1200万円満額支払われるでしょう。
――そうなると、商品を安売りしないということも大切ですよね。最近、1970年代にベストセラーになった藤田田さんの『ユダヤの商法』が復刊して話題になっていますが、藤田さんは「ユダヤの商人は自信のある商品は絶対に安売りしない。消費者に高く売るための教育をする」と言っています。大須賀:なるほど。私も『ユダヤの商法』を昔読みましたが、まさにその通りだと思います。その会社や人が持つ独自のノウハウやサービスの付加価値を高めていき、それを提供することが大切です。安易に安売りに走ると資本力のある会社には勝てませんからね。特に中小企業は、自社の商品を安売りしないことが必要です。