国内だけでは不可能? 貿易アドバイザーが明かすビジネスの勝ち筋の見つけ方(前編) (2/4ページ)

新刊JP

その後、私は大手ベッドメーカーに営業マンとして就職するのですが、その会社は小売店にはあまり好かれていませんでした。

なぜなら、卸価格が定価の約7割で小売店にとってきわめて粗利が少なかったからです。もちろんお店側からは私の存在が嫌がられるわけです。そうなると、私自身もやる気が上がりませんし、仕事が嫌になるわけですよね。この会社にいてもしょうがない、と。それで自分が自由に値段を決められる商売の道、つまり輸入ビジネスの世界に入ってきたのですね。

――では、学生の頃にはすでに海外の値付けの仕組みに気づかれていた。

大須賀:旅行をはじめた頃は「これが普通の値段なんだ」と思っていましたけど、だんだんと同じ商品なのに店舗によって値段が全然違うことに気づいてくるんですね。

ただ、最初、私はその事実をお店の人は知らないんじゃないかと思ったんです。それで親切心から「この店は他の店よりも高く商品を売っているけど、大丈夫なの?」と疑問を投げてみたら、「当然知ってるよ。何か問題なの?」と言われまして。そこで初めて、値付けというのは、本来は自由なんだと驚いたわけです。

――街中の市場なんかにいくと、観光客相手にあらかじめ高くふっかけてくる人もいますよね。

大須賀:そういうケースもありますよね。値下げ交渉が前提になっていて、交渉しなければそのまま高い値段で買ってしまう。

――日本の定価制度というのが実は当たり前ではない、と。

大須賀:日本の場合、高度経済成長期における百貨店の影響が強いんです。小売の王様である百貨店はいろんな商品を扱っていますが、それゆえに売り場の担当者に異動があります。呉服の売り場にいた人が食品コーナーに行ったり、家具売り場に行ったりというね。そうなると、なかなか商品の価値を見定める目を極めることができない。

――そうなると、定価があったほうが合理的です。

大須賀:そうですね。このくらいで売ればいいということが分かっているわけですから。

――日本において実際に値段を決められる立場というのはどういう人なのでしょうか。

大須賀:製造者、製造元であったり、あとはコンセプトを作った人。それと、「だいたいこのくらいの値段じゃないかという相場勘も大きいですね。

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