やくみつるの「シネマ小言主義」 45年ぶりに蘇った、脱獄映画の金字塔『パピヨン』 (1/2ページ)

週刊実話

やくみつるの「シネマ小言主義」 45年ぶりに蘇った、脱獄映画の金字塔『パピヨン』

 スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマン、2人の名演でも名高い、脱獄映画の金字塔が、なんと45年ぶりにリメークされました。何を隠そう『パピヨン』は、自分にとって、長年にわたり洋画ベスト1。あまりに好きすぎて、パピヨンゆかりの地を巡る旅に何度も出かけてしまったほど。なので、リメークと聞いた時は、思わず「キタ〜!!」。…で、その期待は裏切られることなく、新バージョンも楽しめました。

 主人公を演じるチャーリー・ハナムは、マックイーンほどのギラギラ感はないものの、クールな格好よさが魅力。親友のドガ役はむしろ新作のラミ・マレックの方がハマっているのでは、と思うほどの出来でした。さすが、フレディ・マーキュリーの激似演技でアカデミー賞の主演男優賞を受賞するだけはある表現力です(実は『ボヘミアン・ラプソディ』は未見なのですが)。

 パンフレットの解説によると、本作の監督は、リメークを意識しないために、オリジナル版を撮影が半分すぎるまで見直さなかったようです。監督は、単なるネバーギブアップの脱獄映画ではなく、自分自身と自分の過去から脱出しようとしている男の物語として描き直したかったのだとか。

 欲を言えば、脱獄のノウハウや、2年プラス5年の独房生活をどうやって発狂せずに耐え抜くことができたのか、もう少し、ねちっこく伝えてほしかったですけどね。

 でも、フランス史上最悪と言われる流刑地の環境の劣悪ぶり、南米にあるフランス領ギアナの熱帯らしい空気感は、改めてゾッとするほどよく描けていました。

 冒頭にも書きましたが、パピヨンが流されたサン・ジョセフ島、悪魔島はもちろん、逃走経路に使われたカリブ海に面した国々の街を、自分は何度かに分けて、しらみつぶしに訪ねました。

 信じられないことに、サン・ジョセフ島なんてパピヨンゆかりの観光地になっていまして、悪魔島を見下ろしながらフレンチレストランで食事ができます。

 また、実際に出かけてみると、最後に飛び込む有名なシーンの断崖は、映画ほど絶壁ではなかった事実が分かったりします。

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