腸内細菌が薬を食べてしまう。薬効成分が腸内細菌により台無しにされることがあるという研究結果(米研究) (3/5ページ)
たとえばレポドパの場合、効きにくい人がいるというだけでなく、脳の外でドーパミンに転換されてしまうと、ひどい胃腸障害や不整脈を引き起こしたりと副作用が現れることがある。治療効果を得られるどころか、かえって体調を崩す羽目になってしまうのだ。
過去の研究では、抗生物質を投与するとレボドパの効果が向上したために、おそらく効き目の個人差は腸内細菌が原因ではないかと推測されていた。だが、いったい無数にある細菌のどれが薬を食べてしまっているのかは不明だった。

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・腸内細菌が薬を食べている証拠が発見される
その犯人発見の手がかりとなったのは、L-ドーパ(=レボドパ)をドーパミンに転換するという珍しい化学的能力だ。こんなことができる細菌酵素はほとんどない。
一方、「チロシン」というL-ドーパに似たアミノ酸と結びつくものなら結構いる。その中で、チロシンとL-ドーパの両方に結びつくことができるのは、牛乳やピクルスでよく見られる細菌の「ラクトバチルス・ブレビス」だけだ。
レクダル氏らは、ヒト・マイクロバイオーム・プロジェクトを参考に、似たような酵素を作り出せるDNAを持つ腸内細菌がいないか調査。いくつか候補が発見されたが、毎回すべてのL-ドーパを食べるのは「エンテロコッカス・フェカーリス」だけだった。
こうして世界で初めて、エンテロコッカス・フェカーリスとその酵素である「PLP依存性チロシンデカルボキシラーゼ」がL-ドーパ代謝と関連しているという証拠が発見された。