香取慎吾が語る「アイドルの裏の素顔」 (3/4ページ)
「あ、私このあと殺されちゃうんだ」と思うといたたまれなかったです。きっと郁男は、それを一生引きずって生きていくだろうから。
――もし愛する人が亜弓のように突然いなくなってしまったら、お2人はどうしますか?
香取:……西田さん、どうですか?
西田:全然わかんない、想像もできないことですよね。
――郁男の場合はすべてから「逃げる」という決断をしますよね。
香取:僕自身、あの気持ちは理解できるかな。そこがこの作品の「ドラマなんだけど、ドラマじゃない部分」というか。ドラマだったら1個のセリフや1個の行動でちょっとずつ光が差しそうな見せ方をすると思うんです。だけど、『凪待ち』ではまったくそれが訪れない。正直、現実感がありすぎて怖かったです。でも、だからこそ郁男というフィクションから学べることが多い作品なのかなって。
西田:人間ってそんなに強くはないし、立派じゃない気がするんですよね。それを表向きに見せられる人と、見せられない人がいるということを改めて感じました。
――たしかに郁男の生々しい感情や選択は、直に訴えかけてくるものがありました。お2人にとって、『凪待ち』は観る人に何を感じてほしい作品になりましたか?
香取:もがきながらでも、諦めなければ何かが見えてくるということを感じてもらいたいですね。エンターテイメントとして最後にぱっと光が差すような映画もあると思いますが、そうではないですよね。郁男には諦めかける瞬間が何度もあったんです。だとしても、微かに諦めない、誰かと繋がっている部分が彼の生きる道を作っていったと思うから。それを感じさせながら映画が終わっていく形が、この作品のすごく好きなところです。
西田:たしかに郁男がどこへ向かっていくんだろう、という微妙な揺らぎを持たせて終わっていくのが映画の魅力だと思います。観た人それぞれが、そのとき感じた気持ちを味わってほしいですね。みなさんがこの映画を観て何を思うか、私も気になっています。
映画『凪待ち』
俺はどうしようもないろくでなしです――。