へんてこアート入門 『はじめての古美術鑑賞-絵画のテーマ-』編 (2/5ページ)
重要美術品 周茂叔(しゅうもしゅく)愛(あい)蓮図(れんず) (部分) 伝小栗宗湛(おぐりそうたん)筆 1幅 日本・室町時代 15-16世紀 根津美術館蔵
――本企画展の見どころは?
本田さん 今回は水墨画を中心とした構成です。基本は当館の所蔵品中心ですが、個人の方などからも優品を幾つか拝借しています。これらは古美術ファンの方々でもあまり目にしたことのない作品だと思いますので、ぜひじっくりご覧いただければと思います。
また、単に絵のテーマを羅列するのではなく、各時代にどのような主題が流行していたのかという、時代ごとの画題の流行や変遷もわかるような展示構成になっています。ちなみに、次の企画展では「仏教美術」、秋には「花鳥画」の展示を予定しております。
知識がなくても楽しめるのが最大の魅力!――「他の展覧会とはここが違う!」というポイントを教えてください。
本田さん 何といっても「予備知識も準備もなしで見に来て大丈夫」という点に尽きます。古美術の展覧会には、コアなファンの方々が多いものですが、この展覧会は、日本美術について全く何もご存じない外国の方々でも十分楽しめるものにしています。解説文も「短い言葉でわかりやすく」を念頭に置きながら書いていますので、どなたでもお楽しみいただけると思います。
――本田さんのお気に入りの展示は何ですか?
本田さん 気に入った作品ばかり出しておりますので選ぶのは難しいのですが、土佐光起(とさみつおき)の「源氏物語朝顔図」という作品は、細部にまでこだわって描かれた、おすすめの作品です。