ゲスの極み!鬼畜の所業!平貞盛が自分の孫を殺そうとした理由がエゴすぎる【上】 (2/4ページ)
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「こらあきまへんわ……諦めなはれ」
そんな、あんまりだぁ!……とばかり、どうにか助かりたい一心で懇願する貞盛に、医師は重い口を開きます。
「……いや、助かる方法がない事もおまへんが……せやけど……」
「あるなら疾々(とっと)とそれを申せ!」
半狂乱で詰め寄る貞盛。医師はそれを伝えました。
「……児干(じかん)や。あんさんの腫瘍を治すには、そうそれしかおまへん」
「ジカン?」
「せや。児の干(きも。肝)と書いて児干や。それを薬にすれば治りますが……あんさん。覚悟はありまっか?」
「……何じゃと?」
医師の話では、児干として薬効があるのは胎児のそれに限られる……つまり、入手するためには「妊婦の腹を掻っ捌いて、中の赤ん坊を取り出す」という鬼畜の所業に手を染めなくてはならないのです。
まさに鬼畜の所業。歌川国芳「風流人形の内 一ツ家の図 祐天上人(部分)」より。
「……どないしまひょ。あんさん、よう考えなはれ……そこまでして助かりとおすか?」
深刻な顔で訊ねる医師を、貞盛は笑い飛ばします。