「言いたいことを言われるのが経営者」 起業を志す人へ、女性経営者のメッセージ(前編) (3/4ページ)
根っからの営業マンで、彼がリタイアする直前の最後の年に私は雇ってもらっています。「最後にもう一人育てたい」ということで。
――他にその支店長の思い出はありますか?ビューエル:ユニークな人でした。褒め上手で私を乗せるのが上手いんですよ(笑)。それで、できるまでチャレンジの場を与えてくれましたね。そこで支店長から教わったことは、私の土台になりました。
――その後、ご家族でカナダから日本に戻られます。ご友人のすすめで輸入販売の事業で起業されます。ご自身は「無知が力になった」と回想していますが、どんなノリだったのでしょうか?ビューエル:自分は起業する気はなかったけれど、「日本でカナダと架け橋となるような事業を興したらどうか」と周囲のお友達たちから促されたんですよね。
当時、周囲に国際結婚をしているお友達が多くて、英語講師で生計を立てている人も多かったんです。それで、このまま英語の先生でやっていくにも不安があるし、何か仕事を作らないといけないという周囲からのプレッシャーもあったのかもしれません。そこで起業したのが平成元年のことですね。
――その時、ご家族からはどのような声が出たのですか?ビューエル:この本で書いている通り、「起業なんて!」という声はありましたね。特に私は教育者の家系で、私を先生にさせたかったんですよ。でも、全然違うことをしようとしているし、ましてや起業ですからね。父親には一言、「誰にも迷惑かけるな」とだけ言われました。
ただ、夫は起業に賛成していましたし、最初はその夫が社長に就任しました。そういう意味では、2人の責任ということでスタートしています。「誰にも迷惑をかけない」ということで親族にお金を借りるということはしなかったです。
――すべて自分たちで責任を引き受けると。ビューエル:そうですね。だから、銀行から融資を受ける際に保証人と言われるのも困るんですよ。いないですから。ローンで購入した持ち家しかないですという一点張りで、事業計画書を提出して、「これで事業をやらせてください」とお願いしました。