物理学者が「生命は2次元世界でも生存できる」ことを試算(米研究) (1/4ページ)
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宇宙は膜のような時空であるとか、世界は10次元あってヒモでできているとか、そうそう、最近ではシュレーディンガーの猫の助け方を発見したなんてのもあったっけ――。
物理学者たちの考えることは素人にはいつも理解不能なわけだが、彼らがまたすごいこと計算ではじき出した。
なんでも生命は2次元世界でも生存できるかもしれないそうだ。
・なぜこの宇宙は3+1次元なのか?
私たちは3次元の空間と1次元の時間、つまり3+1次元の世界に住んでいる。だが、なぜ4次元の空間や2次元の時間がある世界ではないのか? これはここ数十年、物理学者が考察してきた疑問だ。
その結論は、4次元空間や2次元時間を持つ宇宙では私たちは存在できないというもの。
これを「人間原理」という。この宇宙は、それを観察する存在が生きられる条件を満たしていなければならない。だから私たちが存在する以上、その宇宙が3+1次元なのは必然だというわけだ。
・もっと単純な宇宙はどうか?
では2+1次元のようなもっと単純な宇宙はどうだろう?
物理学者は、そこでは生命の生存を可能にする複雑さが得られないと考えている。また、重力も作用できないだろうし、それならば太陽系のような天体だって形成されることはない――はずだ。
しかし米カリフォルニア大学デービス校のジェームズ・スカーギル氏は、『arXiv.org』に掲載された論文で、そうした2+1次元に関する予想とは少々違う説を提唱する。