生まれてすぐに母親を失った子馬を支え続けてくれたのは元保護犬だった(アメリカ)

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生まれてすぐに母親を失った子馬を支え続けてくれたのは元保護犬だった(アメリカ)
生まれてすぐに母親を失った子馬を支え続けてくれたのは元保護犬だった(アメリカ)

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 アメリカ、アラバマ州ファイエット郡にお住いのカーラ・スウィングルさんはS & K Quarter Horses の経営者だ。そこでは馬を大切に育てているという。そんなカーラさんは先日非常に心痛める事件が起きた。

 1頭の母馬がタイと名付けられた子馬を出産後に急死してしまったのだ。数日前に無事にタイを出産し、その後突如として体調を崩した。

 カーラさんのケアと愛情、そして獣医の治療を受けていたにもかかわらず母馬は突然この世を去ってしまったという。子馬のタイはこうして生後わずか9日でみなしごとなってしまった。


Rescue dog becomes Dad to orphaned foal

・生後たったの9日で1匹ぽっちになってしまった子馬のタイ

 突然のタイを襲った悲劇にカーラさんも動揺が隠せなかった。もちろんカーラさんは子馬を放っておく気はなかったが、生後9日のタイにはまだまだ保護者からの愛情が必要な時期だ。

 だがカーラさんには他のウマたちの世話もあり、四六時中タイのそばにいるというのも難しかった。

 そんなカーラさんとタイの窮状を救ってくれたのは、なんと元保護犬のジップだった。ジップはまるで父親のようにタイのそばに寄り添い、優しいまなざしでタイを見守るようになったという。

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・子馬の保護者役を買って出た犬のジップ

 「今までジップはあまり馬に興味を示したことはありませんでした。私たちは毎年ここで子馬を育てていますが、ジップはせいぜいドアから顔を覗かせる程度でした。」とカーラさんは語った。

 そんなジップは、タイの母馬が亡くなる晩に何かを察したのか馬小屋に行き、タイのそばで添い寝をしたという。そして翌朝、タイの母馬はこの世を去ってしまったが、タイのそばには異種のお父さんが残った。

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 「私はあの夜、馬小屋で母馬の看病に追われていたんですが、その夜ジップは馬小屋の通路に身を横たえていました。よく考えるとあの時タイも馬小屋の通路にいたんです。ジップはその時もすでにタイのそばにいたのかもしれないですね。」とカーラさんは語った。

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・いつしかタイの行く先々にジップがいるように

 姿かたちは違えど、わが子を思う気持ちは本物の両親のそれに負けないものを持っている父さん犬のジップは我が子のタイをいつでも保護者の視線で見つめている。

 ジップの視界には必ずタイがいるのだ。ジップはタイに心身ともに寄り添い、タイの心を慰めているようだという。

 子馬のタイも自分を気にかけてくれるジップの存在に喜んでいるように見えるそうだ。

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 「私が納屋を離れるのを確認すると、すぐにジップが馬小屋の前に走って飛んでくるんです。早く馬小屋の中に入ってタイの様子を確認したいみたいですよ。」とカーラさんはジップの子育て模様を明かしてくれた。

 寝る時も遊ぶ時もタイとジップは一緒だ。異種間親子だけれど、愛情に姿形は関係ないのだ。

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 タイは生まれて間もなく、充分に母の思い出を抱くことなく別れを経験した。タイに自覚はないかもしれないが、タイにとってこれはきっと非常につらい、心もとないことだったろう。しかし幸運にもタイには少し毛深いお父さんができた。

 犬のジップだ。きっと自身も1匹ぽっちを経験した元保護犬のジップには本当に守るべきものの存在が分かったのかもしれない。


 ひょっとしてタイはこれからまた母馬の不在を寂しく思う日が来るかもしれない。けれどもきっとタイの未来はけして暗くない。

 なぜならそこには馬育てのベテランのカーラさんとタイの守護者である元保護犬ジップが両親として存在して愛情をしっかり注いでくれるからだ。

References: Paw's Planet/Facebook/など / written by kokarimushi / edited by parumo
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