王貞治「長嶋茂雄、巨人軍、大谷翔平、東京オリンピック、そして愛しのプロ野球へ」魂の伝言 (3/5ページ)

日刊大衆

やっぱり、王さんの“心の故郷”は今でも巨人なんですよ」(前同)

 そんな王氏が目を細めているのが、メジャーリーグで大活躍中のエンゼルス・大谷翔平(25)だという。高校3年生の大谷が春の選抜大会で、藤浪晋太郎(現・阪神)からホームランを打ったのをテレビ観戦していた王氏は、こう言ったとか。「彼は、僕のホームラン記録を塗り替えるバッターになるかもしれない」

 早くから大谷の才能を見抜いていた王氏。ただし、二刀流に対しては当初から懐疑的だったという。東京プロ野球記者OBクラブの集いに参加した際、王氏は、「僕の個人的な意見だけど、大谷にはバッター一本でやってほしいと思う。投手一本だと出ない日のほうが多いけど、これは実にもったいない。毎日出場してファンを喜ばせるには、バッター一本に絞るしかないよ」と力説したという。

 昨年10月に右肘の手術を受けたため、今季は打者専任となっている大谷。そのせいか、成績も好調だ。親しい古参記者が王氏に、「大谷は、やっぱりパワーがありますよね」と尋ねたことがあった。すると王氏は「違うよ」と遮って、こう続けたという。「彼の最大の武器はパワーではなくて、スイングスピード。スイングスピードが一番速くなるときにボールに当てられる能力があるから、メジャーリーガーの球でもホームランが打てるんだよ」

 天才は天才を知る――。王氏が喝破したように、アメリカでも、ここにきて大谷の打者専任論が沸騰している。二刀流にこだわる大谷が今後、どういう決断を下すのか注目したい。

■東京オリンピックで金メダルなるか

 ソフトバンク会長として、新戦力の補強やチーム戦略などにも意見を求められる王氏。その多忙ぶりはすさまじいものがあるが、来年の7月24日に開幕する東京五輪・パラリンピックの理事も務めている。

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